#TikTokMadeMeBuyIt が Amazon のビューティ売上を牽引:バイラル製品の売上を大きく左右する存在も

DIGIDAY

TikTokのビューティトレンドを追いかけるのに時間を費やしていれば、Amazonのベストセラーリストを眺めたときにおそらく既視感を覚えるはずだ。

レブロン(Revlon)のワンステップ・ヘアドライヤーブラシからポーラチョイス(Paula’s Choice)のBHAエクスフォリアントまで、TikTokでの人気商品は、Amazonの美容分野のベストセラーの中心に位置している。TikTokとAmazonの美容関係のパイプの強さは、いまやデータによって裏付けられていることが、シミラーウェブ(Similarweb)の製品販売状況を追跡した新しいレポートで判明した。同社の分析によると、TikTokで話題になった美容製品はAmazonでの売上が前月比で平均85.3%の伸びを示し、それぞれのカテゴリーの平均値を上回っている。

TikTokとAmazonでトップセラーに躍り出たレブロン

とくにTikTokのバイラル現象の恩恵を受けているのがレブロンだ。同ブランドのヘアードライヤーブラシはAmazonで美容関連のベストセラー第1位であり、オイルアブソービングボルケニックフェイスローラー(Oil-Absorbing Volcanic Face Roller)は第3位となっている。どちらの製品もAmazonの広報担当者が今年のブラックフライデーとサイバーマンデーの総合トップセラーとして挙げており、TikTokでもバイラルな瞬間をシェアしている。

たとえばヘアードライヤーブラシは、2020年2月に初めてTikTokのプラットフォームで注目されて以来、TikTokビューティの主力アイテムとなっている。一方、ボルケニックフェイスローラーは、メイクアップアーティストのレキシントン氏(@looksbylexington)が製品を使用してみせた動画が注目されたことがきっかけで、2020年3月に初めて一気に拡散された。2021年春に再びこの製品がバイラルになった際には、3月には前月比54%、4月には前月比65%のAmazon売上の伸びを記録している。

マイクロインフルエンサーが製品の売上を左右する

「製品を使用した際のポジティブな結果を示すビフォー・アフターのビデオを投稿するマイクロインフルエンサー」は、バイラル製品の売上げを大きく左右する存在となり得ると述べているのは、シミラーウェブのレポートを執筆した同社のインダストリーマネージャー、イネス・デュランド氏だ。そしてTikTokの大物ビューティインフルエンサーのなかでAmazonの売上に影響を与えたのは、ムネーブ・シャー医師、マリ・マリア氏、ミレヤ・リオス氏だった。

「皮膚科医は、知識が豊富だと思われているため、TikTokで多くのフォロワーを獲得している。皮膚科医はスキンケアのルーティンに特定の製品を使うことを勧めるだけでなく、その製品をもっとも効果的に使用するためのヒントを与え、人々が購入する際に孤独を感じないようにしてくれる」とデュランド氏は指摘している。シャー医師がポーラチョイスのBHAエクスフォリアントをTikTokの動画で推奨したところ、1月には330万回視聴され、Amazonでの売上は前月比で13%増加した。また、3月にTikTokスターのエドワード・ゾー氏がその製品について投稿した際には、17%の伸びを示した。この製品は現在、Amazonの美容ベストセラーリストで18位、スキンケアカテゴリーで9位にランクインしている。

そのほかにアマゾンでの大きな販売に結びついたバイラル製品には、イオス(Eos)のシェービングクリームがある。2021年2月、TikTokerのカーリー・ジョイ氏による有名な歯に衣着せぬ発言満載の動画をきっかけに製品のコラボにつながり、171%の売上増を記録した。また、ソフトシーン・カーソン(SoftSheen-Carson)のマジックシェイビングパウダー(Magic Shaving Powder)は、TikTokのマイクロインフルエンサーである@realbellabandsの動画のおかげで、7月に177%の急上昇を記録している。アクアファー(Aquaphor)も、2020年12月にリオス氏のバイラル動画によって数カ月間の伸びを示し、2021年3月にはさらに多くのTikTokユーザーがその製品について投稿したことで28%の成長となった。

TikTokの販売チャネルとしてのAmazon

TikTokの販売チャネルとしてのAmazonの価値に気づいたブランドもある。たとえば、レブロンは、インフルエンサーのナタリー・アティック=ヌネズ氏(@therobelifeblog)がフェイスローラーをAmazonで購入したと発言する動画をTikTokに掲載している。しかしほとんどの場合、「インフルエンサーは通常は(ブランドのサイトを)直接参照するか、場合によっては提携しているアルタ(Ulta)やセフォラ(Sephora)などの美容小売店を参照する」とデュランド氏は言う。

これはTikTok自体にも言えることだ。2021年の#TikTokMadeMeBuyItというギフトガイドでは、レブロンのフェイスローラーがAmazonの購入リンク付きで掲載されているが、ほかの美容製品はほかの小売店やD2Cサイトへのリンクが付いている。

レブロンは「TikTokでもっとたくさんのことを」行う計画だと、同社のアメリカの社長であるヘザー・ウォレス氏は最近開催されたGlossビューティサミットにて述べている。また、Amazonを含むリテールパートナーにも注力していくとのことだ。

「Amazonとの仕事では、我々はAmazonが美容分野で何を達成しようとしているのかを本当に理解しているし、Amazonが生み出している新しいツールについても把握している。かなりのテクノロジーがあり、動きがとても速い」とウォレス氏は言う。

Amazonの公式ストアを持たないブランドでさえも、売上が急増している。シミラーウェブによると、ジ・オーディナリー(The Ordinary)は、有名なAHA 30%+BHA 2%ピーリングソリューション(AHA 30% + BHA 2% Peeling Solution)が2020年9月にTikTokでバイラルになり、2021年4月に再び話題になったことで、Amazonでのサードパーティでの売上が急増した。

TikTokでバイラルな製品を生むことに関しては、デュランド氏は「消費者にとっては最初はオーガニック(な投稿)がもっとも効果的だ。その製品を使用した結果が本当に正しいのか疑念を抱くことなく、製品に対する認識と信頼を得ることができるからだ」と説明する。「しかし、大物インフルエンサーとの有料パートナーシップは製品の露出度を高めるので、最初のブームの後の売上に確実に貢献している」。

[原文:#TikTokMadeMeBuyIt is driving Amazon beauty sales]

LIZ FLORA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)

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