楽天モバイル約1年使用した見解 – krmmk3

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ここ最近モバイル通信におけるMVNOのシェアが大きく下がっているそうです。

MVNOと一口に言ってもいくつもの会社が運営しており、それを全部足して昨年12.3%から9.3%への低下のため、MVNO契約自体が3/4に減ってしまった、ということになります。これは結構大きな話です。

この一因としては、まずは総務省や政府の圧力によってキャリアが導入した格安プランがあります。実際MVNOへの移行を検討していたわたしの友人のドコモユーザーが移行先を結局ahamoにしたりしてますし、少なくともMNOからMVNOへの移行を妨げる原因になってしまったのは確かでしょう。実際、キャリアが嫌いなわたしから見てもahamoのようなオンライン契約のサービスは好印象です。

わたしがキャリアが嫌いなのはこっちは最低限のプランでいいのに「すぐ解約してもいいから」と無理やりいらないオプションをくっつけようとしたり、別の機種を検討しているのに「iPhoneはもっといいですよ」とiPhoneの説明ばかりやってくる店員がいたりと言った態度にウンザリしたからです。まぁ過去の経験なので今も同じかどうかわかりませんが、地元の多くの人々の手に大量の持て余したiPadが存在し、一時はわたしの業務に支障をきたすレベルでiPad引き取りの問い合わせがあったことからそれほど変わっていないんだろうな、と思ってはいますが。

その点ahamoなどはオンラインで契約できますから余計なオプションを押し付けられることも特定の機種ばかり買わせようとするセールストークを受ける必要もなく、SIM単体の契約もできますから自由度も高めです。厳密に言えばキャリアとは異なる契約になるわけですがそれでも運営がドコモであることに変わりはなく、安心感もあるでしょうね。MVNOではなくそうしたサービスに移行した理由を通信速度にあるという見方もあるようですが、たいていの人はスマートフォン単体の通信速度をそこまで必要とはしていないかと。あくまで安心感が最大の理由でしょうね。

正直もっと大きな理由が楽天モバイルの存在かと。やはり維持費無料は大きすぎます。先のシェアデータでも楽天が大きく伸ばしていることが書かれていますが、昨年の調査と今年の調査の間には楽天モバイル一年間無料キャンペーンの終了期間が入っており、そこへの駆け込みとそれに伴うサブ回線として使っていたMVNOの解約が大きく数値を動かした、と思います。

当時は先のahamoなどの影響であちこちのMVNOで料金の改定が行われており、ユーザーが自分の契約状況を見直すキッカケになったこともあって整理の際にMVNO解約&楽天モバイル導入という大きな流れがあったと思うのです。実際わたしがそうでしたからね。それ以前はMVNOのmineoを3回線も契約していましたが、1回線を解約し、代わりに楽天モバイルを導入しました。わたしもMVNOの契約数を減らすのに貢献してしまっているのです。まだ楽天モバイルは無料期間の中ではありますが、そろそろそれも終わりになります。「お試し」でもある約一年間、楽天モバイルを使っていてどうだったか、といいますと。

正直あまり使い勝手はよくないです。MVNOを完全解約し、楽天モバイル一本にできるか、と言われたら無理です。理由はやはり回線が建物や壁に囲まれた場所だとつながらなくなるから。速度は我が家まで届くようになってから変わらず、下りは大抵16Mbpsくらい。大都市で使っている人から見れば激遅なんでしょうが、わたしから見れば十分以上に高速で、そこは不満はありません。

問題は回線の安定性。家の中だと本当にあっという間に切れます。さっきまでアンテナが4本立っていた場所で、数分間動かさずに放っておいただけでいつの間にか回線が切れていた、なんてことは日常茶飯事です。まぁ家の中なら有線回線を引いたものをWiFi化したものを入れているので通信が切れても別に影響はないのですが、もっと問題なのが通話。楽天モバイルは専用のアプリを使えばIP電話を無料でかけることが出来、それはウリの一つです。導入当初はモバイル通信が届かない場所でもWiFiでつながってさえいれば送信はもちろん受信さえできるので「なんて便利なんだ」と驚愕しましたが、実はそう便利でないことが後にわかってきました。

楽天モバイルのIP電話、RakutenLinkは、実はWiFiと楽天回線(LTE)が両方有効になっている場合ではLTEを優先します。通話ではなくあくまで通信ですが、LTEでつながるのが本来の姿です。実際WiFiと楽天回線が両方とも有効になっている状態でRakunteLinkで電話をかけ、つながってからWiFiを切っても通話が切れたりしないことを確認しています。ただ、このLTEが不安定だとアプリ側が判断するとWiFi経由で電話を掛けます。これは使った際に一瞬その旨がテキストで表示されるので気を付けていればわかりますが、逆を言えば気を付けていないと見過ごすくらいわかりにくいものです。

で、WIFI経由で電話を掛けますと、相手の電話では「非通知」と出てしまうのです。そうなると電話の相手が出てくれません。友人・知人には「非通知でもわたしからの電話だと勘と魂で判断できるようになってくれ」と言ってはあるのですが残念なことにその粋に達したものはおらず。たびたび言うように楽天回線は室内では非常に不安定であり、アンテナは4本どころか5本立っていても不安定とみなされ、WiFi経由になってしまう現象も見ました。現在はしょうがないので電話の前にスマホの無線LANを切り、かつ一度機内モードにしてすぐもとに戻し、通信状態をリフレッシュしてアンテナがしっかり立っていることを確認してから電話を掛けるようにしています。

面倒くさいですしすぐ忘れて相手を混乱させます。なお、この非通知現象は機種によってはWiFi経由でも発生しないものもあると言う話なのでわたしの使っているPOCO X3 NFCが悪いのかも知れません。なにせ楽天側が動作を認めている機種ではなく、かつ楽天モバイルは使えるけどパートナー回線のAUは使えないというのを実験のためとは言えわざわざ選んで買ったものですから多少の不具合は出るのは当然なんですが。

と、MVNOの完全な代用品となるとは思えない楽天モバイル。MVNOを選ぶ人って、おそらくデジタルガジェットものが好きでSIMフリーのスマホやタブレットをよく買うので複数のSIMが欲しくなる人が多いんじゃないかと思うんです。楽天モバイルは対応していない機種も多く、選択肢が狭まってしまうのでMVNOと比べると若干面白みにかけます。そこをわたしみたいにM気質であえて楽しむサブ回線としての利用ならいいと思いますけどね。まぁ日本人の場合、iPhoneさえ使えればAndroid系はどうでもいい、という人が多そうですが。

そのiPhoneも通話だと、未確認ですがApple.incの要求に応じて変則的になったのでつながりにくくなったとか・・・。ちなみにわたしはこの約一年、楽天モバイルの通信は一か月の利用量が0.4GBを超えたことがなく、それでいて少しは通信をしているので(今月は今日まで0.07GB利用)無料の範囲である1GBを超える可能性は無いがほったらかしで死蔵しているわけでもない、という典型的な0円運用になっています。なので無料期間が終了してからも利用は継続し、楽天側から警告を受けたりしない限り実質0円運用を続けるつもりです。イヤな客ですね。有線回線を解約して楽天モバイルを毎月100GB使っている友人の方がはるかに優良な顧客だと思います。

来年は楽天モバイルの無料期間が続々と終了し、少なくない解約者が出るでしょうし中にはMVNOに戻る人もいるでしょう。でも、それ以上に戻り先はahamoやpovoらになってしまうかも知れません。まだMVNOは苦戦が続くでしょう。ドコモの代理店で一部MVNOの手続きが行えるエコノミーがスタートしたのはいいことだと思いますが、そうした店舗を構えて面倒な手続きを全部代行してくれるMVNOでないと今後は厳しいでしょうね。

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