【え?】「やむをえなければ外出OK」なの? 曖昧すぎる海外帰国者ルールについてセンターへ問い合わせてみたところ衝撃の回答が … / 自主隔離生活2日目

ロケットニュース24

去る12月1日。エジプトから日本へ帰国した私は、ホテルで自主隔離生活をスタートさせた。 “自主” と言われると「しない選択肢もあるの?」と感じてしまうが、さにあらず。「14日間は登録した場所で待機し、他者と接触しない」といった規則はしっかり定められている。

とはいえ、そこはあくまでも自主隔離。強制隔離と違い、移動手段や食事など必要なものは全て自分で用意しなければならない。「なんだかよく分からないなァ……」と思いつつも、始まってしまった私の隔離生活。2日目の様子をお届けしよう。

・ホテルの近くで降ろされる

成田空港からは1時間に1本、空港付近のホテルを周回する “帰国者専用バス” が運行している。この日の乗車率は4割ほど。後ろの席で小さく雑談していた客に対し、運転手が「会話をやめてください」と厳しい口調で注意する場面もあった。

この日私が宿泊する『アパホテル京成成田駅前』へは、付近のロータリーでバスを降ろされた。ホテルまで約150メートルほどの道のりを、私は1人歩いて向かうらしい。周囲にはゾロゾロと通行人が歩いているが、私が隔離者だと知ったらどう思うのだろう。

私は今回の宿泊を普通にアパアプリから予約。「何か特別な申請が必要なのでは?」と事前に何度も問い合わせをしたのだが、「到着時にフロントで『自主隔離です』と伝えてもらえればOK」とのことだった。なんだか想像したの全然違うなァ……。

ちなみに私は昨年、アパホテルで5泊6日の “疑似隔離体験” を敢行したことがある。当時は隔離のストレスから発狂しそうになったものだが、あの経験を活かして今回のガチ隔離を乗り切りたい。

まず室内の大きな鏡は隠す。あとは「仕事しなきゃ」「筋トレしなきゃ」などとは極力考えず、ストレスを溜めない状態で過ごすのが隔離生活を乗り切るコツだ。


・隔離者のお仕事

昨日の記事でもお伝えしたが、自主隔離者にとって最大にして唯一の任務ともいえるのがコレ。入国者健康居所確認アプリ『My SOS』で、自分の健康状態・居場所を毎日報告することである。スマホを所持していない場合は空港でレンタル(有料)する必要があるので注意。



まず1日1回、アプリ上で健康状態の報告を行う。これは「自分か家族に体調不良の者はいるか?」という2つの質問に答えるだけなので簡単だ。次に1日1回、ビデオ通話に応対する。基本的にはAIとの無言のやりとりだが、低確率でヒトからかかってくる場合もあるらしい。

ここで問題となるのが、この着信が何時にあるのかが分からないこと。事前に分かってしまったら「その時間だけ待機場所にいて、あとは遊びに出かけてしまおう」と目論む輩が現れないとも限らないので、やむをえないシステムだとは思う。



とはいえ、ホテルで1人過ごしていても着信を見逃すことはある。この日はうっかり昼寝をしていたところ、2時間も前に着信が残っていてゾッとした。空港職員の方によると「着信に対応できなかった場合は再び着信があるので、改めて対応すればOK」とのこと。

しかし……「ま、のんびり次の着信を待てばいっか」という気分にどうしてもなれないのは、この報告を怠ると最悪の場合 ”厚生労働省のホームページで氏名と渡航情報公開” という厳しい罰則が課せられるからである。



実際に氏名が公表されているのは「期間中、一度も応答がなかった」といった悪質な場合のようなので、私はおそらく大丈夫……だとは思う。が、万が一にも悪質だと判断されたら私のライター人生は即終了してしまうだろう。

なお私の場合、初日からの4日間は各おおよそ17時半、14時半、14時、13時半に着信があった。けっこうバラバラなので、必ずマナーモードを解除して待つべし。



また、それとは別に1日3回ほど “現在の位置情報” を求める通知が届くので、位置を知らせるボタンをタップする(登録の待機場所で)。こちらもいつ通知が来るか全く読めないから気が抜けないぞ。


・衝撃の事実判明

さて隔離者にとって最も気になるのが「メシはどうするのか問題」。強制隔離であれば部屋にお弁当が届くシステムらしいが、自主隔離者には完全な自力調達が求められているようだ。

私が宿泊したアパホテル京成成田駅前の場合、ウーバーイーツ、ピザのデリバリー、ホテル1階にあるレストランなどが利用可能とのこと。また近隣のコンビニ利用に関しては「お客様の判断にお任せしています」というグレーゾーン。



判断を委ねられるのが苦手な私は、改めて『My SOS』アプリを確認……すると、「やむをえず外出する場合には、マスクを着用し、公共交通機関を使わないでください」との文言を発見した。えっ……そうなん? やむをえなければ外出してもOKなん!?

何だかよく分からなくなってきたので、私は『入国者健康確認センター』へ電話。「 “お客様の判断” とは具体的にどの程度の範囲を言うのか」と質問してみた。得られた回答は次のとおり。


・生活に必要なものを購入するためであれば外出OK
・その際は基本的な感染対策を行い、なるべく人通りの少ない時間を狙ってほしい
・所要時間はだいたい往復30分程度を目安としている
・ただし厳密ではないので、多少オーバーしてもOK
・外出中に位置確認のメッセージが来た場合、一旦無視してOK


ええぇぇぇ…………! マジか。往復30分ちょいならOKって、コンビニどころか服とか買いに行けちゃうな。まぁ確かに我々帰国者は出発前・到着後とダブルでコロナ検査を受けているので、感染しているリスクはかなり低い。しかし……う〜む。想像してたのと違いすぎる。


そんなわけで翌日から、私はホテル1階のローソンで食料を調達することにした。もちろんマスクを二重に着用し、人の少ない時間帯を狙って。そしてドキドキしながら3カ月半ぶりのコンビニへ入店した私は、すぐ “ある重大な気づき” を得ることになる。


日本のコンビニ、最高すぎやしないか……?


・ニッポン最高

一体なぜ真夜中だというのに、これほど商品が充実しているのだろう?  “来日した外国人オリンピック選手” みたいなことを言って申し訳ないが、心の底から感動したんだから仕方ない。

夜中でも明るくて、あったかくて、な〜んでも揃っている。おまけにメッチャ安い。これまでのべ30カ国以上を旅してきたが、こんな素晴らしいシステムは日本にしかないと断言できる。

まさにマチのほっとステーション。

けっきょく私はホテル待機期間中、全ての食事をローソンで購入した。

「コンビニ飯」と聞くと寂しげなイメージを抱く人もいるだろうが、全くそんなことはない。むしろ「食べたいものがありすぎて日数が足りない」と感じるほどだった。

一昨日まで居たエジプトでは安全への配慮から野菜をほとんど食べられなかったが、ローソンのおかげで栄養を取り戻すことに成功。

中でもドハマりしたのは、私が日本にいないうちに登場していた新商品『昔ながらのカスタードプリン』である。

私は業界でもトップクラスの “硬いプリン好き” だが、このプリンの硬さはちょっとハンパじゃない。硬すぎて表面が鏡みたいに光っている。

私は “カラメル不要論者” でもあるのだが、この商品のカラメルは控えめでとてもよい。気に入りすぎて隔離中毎日3個ずつ食べてしまったほどだ。おそらく帰国隔離という状況になければ、私がこの商品を手に取ることはなかったのだろう。まさにケガの功名。

それから外国の硬水ですっかりガサガサになっていた私の毛髪は、日本の風呂に入った瞬間まるでトリートメント後のようにツヤツヤと輝き始めた。ミネラルウォーターで歯磨きする生活から一転、蛇口をひねるだけでこんなに質のいい水が出てくる日本……マジスゲェ。

また「布団に南京虫がいない」「貴重品を部屋に置いて外出できる」「Wi-Fiやテレビが途切れない」といったことにも、いちいち感動しっぱなしの1日であった。改めて日本の素晴らしさを気づかせてくれた隔離生活。今のところ全く飽きる気がしない。

参考リンク:厚生労働省HP
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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