ザ・ヴァージ のN・パテル氏、創業からの10年間を振り返る

DIGIDAY

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創業から10年、ボックスメディア(Vox Media)のテック専門パブリケーション、ザ・ヴァージ(The Verge)は、必ずしも大きく変わったわけではない――少なくとも、当初の構想からは逸れていない。この10年を通じて、同社は変化を目指すよりもむしろ、自ら定めた軌道に沿って進んできた。

「現在のザ・ヴァージと10年前のザ・ヴァージの違いは、いまはしたいと思っていたことをすべて実行できるだけの人材と能力が備わっていることだ。それが一番大きいと思う」と、ザ・ヴァージの編集長、ニレイ・パテル氏は米DIGIDAYのポッドキャスト最新回で語った。

そうはいうが、ザ・ヴァージはいま、見るからにアップグレード中だ。2022年度中にサイトデザインの刷新を予定しているだけではない。同社はこの2カ月間で、新たなプロダクトと収益源を確保/導入した。まずは9月、親会社のボックスメディアがポッドキャストニュースレター、ホット・ポッド(Hot Pod)を買収。ザ・ヴァージは後者を同社初の有料プロダクトとし、サブスクリプション事業をはじめている。翌月には、CTVアプリを初投入し、初のライブイベントも主催した。

ただもともと、こうした拡大策を創業10周年に合わせて仕掛けるつもりはなかった。「2020年を成長の年にしようと考えていたんだ」とパテル氏。それがコロナ禍のせいで、1年先延ばしにせざるを得なくなった。

「でもおかげで、エネルギーが溜まりに溜まって、ちょうど10周年ということもあって、それが一気に噴き出した。いまは本当にワクワクしている。社を進化させる新たな一歩を踏み出したくて、うずうずしている」。

以下に、氏の発言の一部を抜粋して紹介する。なお、長さと読みやすさを考え、発言には編集を加えてある。

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創業時の意図に忠実な姿勢について

「ザ・ヴァージはコンシューマー向けのテック専門Webメディアだ。確かに、別の側面もある。けれど、我々の主張は当初から『テクノロジーをよく知り、よく考えることは楽しい』であって、そこは変わっていない。だからこそ無理やりハードルを下げたり、万人向けに舵を切ったりはしないし、そういうプレッシャーとも無縁でいられる。プレッシャーがあるとすれば、それは、人々をもっと深いところに連れて行かなくては、という使命感だね」。

初のライブイベント主催について

「我々がカンファレンスを開くなら、主題は常にザ・ヴァージでなければならない。つまり、テクノロジーが創出するカルチャーということだ。そしてそれは、人々のためのもの、弊社のコンシューマーオーディエンスのもの、オープンな(間口の広い)ものでなければならない。だからこそ今回、我々はオープンな姿勢で臨んだ。そのイベント、オン・ザ・ヴァージ(On the Verge)のチケットを、誰でも買えるようにしたのもそのためだ。テクノロジーを使って何かをしている、普通の人々を見てもらいたかった。それで、アートエキシビジョン(展覧会)を開いた。屋上で絵画教室も開いた、私の一番のお気に入りだ。大勢の人が穏やかに絵の描き方を学ぶイベントを開けるなんて、とても幸せな気持ちになれた。それと、ミュージシャンも招いた。あのイベントの趣旨は、『みんなおいでよ、幹部の話を聴こう』じゃない。趣旨はあくまで、『みんなおいでよ、未来に参加しよう』だったんだ」。

CTVアプリの投入について

「動画は創業当初から制作していた。だから動画のライブラリがかなりあって、これは面白く活用できそうだ、違った形で世に出してみたい、と考えた。とりわけ重要視したのは、オーディエンスの声だ。YouTubeやその他のプラットフォームを介さずに動画を見る方法はないのかと、くり返し問合せを受けている」。

ポッドキャストニュースレターの買収――そしてサブスクリプション事業について

「私は別に、サブスクリプションプロダクトが欲しかったわけじゃない。今回の買収で重要なのは、私が尊敬できる人たちがボックスメディアで働いてくれるようになった、という点だ。たとえばあるベテラン記者もそうで、彼はホットポッド創業者のニック・クア氏と以前から懇意だった。ニュースレターの書き手が変わったことで、すぐにサブスクライバーが減るとは考えていなかった。逆に増えるという自信があったし、実際にそうなった」。

[原文:The Verge’s Nilay Patel talks about how Vox Media’s tech publication has and hasn’t changed after 10 years

TIM PETERSON(翻訳:SI Japan、編集:村上莞)

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