石垣島の名物おっちゃんが作る『ヤギ汁』を食べたら「ここ観光スポットで良くね?」ってなった話 / 沖縄県石垣市「栄福食堂」

ロケットニュース24

肉には牛肉、豚肉、鶏肉のメジャーどころからラム(羊)肉、猪肉、馬肉などまでいろんな種類があるが、ヤギ肉を食べたことある人は意外と少ないんじゃないだろうか? 

先日、私(耕平)は石垣島を訪問。「ゆし豆腐」などの郷土料理を堪能しつつ、ヤギ肉をふんだんに使った沖縄の郷土料理『ヤギ汁』と出会った。

石垣島の名物おっちゃんが作っている「栄福食堂」で提供される『ヤギ汁』は、果たしてどんな食べ物なのか? 個性的なおっちゃんと店内の様子も交えてお伝えしよう。

・個性的な店内

数々の有名人も足を運んだという「栄福食堂」は、石垣島の繁華街「美崎町」の中心部から少し離れた石垣市役所旧庁舎の近くにある。


お店の外観にいろんなメッセージが貼り出されていて、中には英文のものも。何やらただならぬ雰囲気を感じる。


さっそく店内に入ってみると、世界各国の旗が飾られていた。ワールドワイドな一面を醸(かも)し出しつつも、若くして事故で他界した昭和の人気俳優「赤字圭一郎」の写真の数々も貼ってあって、世界と昭和が融合する独特な空間だ。


そしてお店を切り盛りするのは、”石垣島の名物おっちゃん” こと店主の通事国浩(とうじくにひろ)さん。


おっちゃん目当てに訪れる観光客も多いとのことで、実際に後から入ってきた女性客2人組は「おっちゃんに会いたくて、大阪から来たんだよ!」と熱烈なラブコールを送っていた。


・ヤギ汁を実食!

おっちゃんにオススメメニューを聞いてみると「ウチ来たら、ヤギ汁は食べなきゃダメだ!」とピンポイントで勧めてくれたので、『ヤギ汁』(税込1000円)を注文。

他にも、おっちゃんが「ヤギ汁食べるなら、これも一緒に飲むといい」とのことで『ピパチチャイ』(税込200円)も注文した。その後、おっちゃんが「作ってるあいだ、俺が出ている海外の番組があるから見てくれ!」と、おっちゃんが出演している番組を見せてくれた。


待つこと約10分。おっちゃんの「できたよ!」の声とともに、ヤギ汁が運ばれてきた。


付け合わせに塩と生姜があり、おっちゃんいわく「生姜は全部入れて、塩は好みに合わせて入れる」のがオススメの食べ方とのことだ。琥珀色の汁が食欲をそそるが、八重山諸島の離島で道端で見られる可愛いヤギを思い浮かべると少しばかり心が痛い……。

命をいただくことに感謝しながら、ヤギ肉を一口食べてみる。

なるほどね。


ヤギ汁自体は優しい味付けだ。ただヤギ肉は独特で少々強めな臭みがあるので、ラム肉とかが苦手な人は口に合わないかもしれない。この臭みを調整するために生姜を全部入れるといいらしいので、生姜を入れると味がどう変わるのかを試してみることに。


見事に味変! 生姜を入れたことでヤギ肉の臭みが緩和され、汁の旨味も引き出されてご飯とも相性が良さそう。


その後も脂身の部分や……


骨つきの部分など、いろんな部位の肉を堪能しつつ……


完食!!!!


そして食後に、おっちゃんオススメの『ピパチチャイ』が到着。インドのお茶「チャイ」に、おっちゃんが栽培している石垣島の島胡椒「ピパチ」を入れた飲み物だ。


これも美味い! おっちゃんの言う通り、たしかにサッパリしていてクセもあるヤギ汁を食べた後だからなのか、チャイの濃さがちょうどいい。ピパチも良いアクセントになっていて、一気に飲み干してしまった。


・「トニーそば」とは?

ヤギ汁だけでは腹八分目にも届かなかったので、メニューの中で気になっていた『トニーそば(小)』(税込300円)を追加で注文。


今まで数々の八重山そばを食べてきたが、「トニーそば」という名前は聞いたこと無いので、それだけで期待に胸が膨らむ。ちなみに「トニー」とは、おっちゃんが愛してやまない前述の赤木圭一郎のあだ名らしい。そして待つこと約3分、おっちゃんが「トニーそば」を運んできた。


うん、たしかに美味そうだが、私が知っている八重山そばと少し違うのは、豆腐が乗っているくらいか? 念のため、おっちゃんに八重山そばとどこが違うのかを聞いたところ……

「八重山そばと、なんも変わんねぇよ」


そうなんだ……じゃあ、なんでわざわざ八重山そばとメニュー分けているのだろう(笑)──という疑問を抱きながらも、一口食べてみると……

メッチャ美味い!!!!


麺にコシがあって、豚肉とスープも絶妙な甘さで全てのバランスがちょうど良い。今まで食べた八重山そばの中でもベスト3に入るかも。こんな美味いなら、小サイズじゃなくて大サイズを頼めばよかったと後悔したほど。そして一瞬で完食。


その後もおっちゃんが来客用の思い出ノートを見せてくれた。今でこそ外国人の観光客がほとんどいない石垣島だが、コロナ禍以前は世界各国からこのお店を目当てに訪れる人が多数いたそうな。ノートには感謝のメッセージが多く綴られていた。


そんなおっちゃんには、自治体などからも数々の感謝状が贈られていて、その活動や人柄の良さを物語っている。


最後におっちゃんが着ていたオリジナルTシャツ(税込1000円)を購入し、また石垣島に来たときは寄らせてもらうことを伝え、お店を後にした。


──以上になるが、石垣島に観光で行く予定がある人には、ぜひ一度訪れてほしい! むしろ観光スポット化してもいいのではないだろうか? 初見でもおっちゃんが超フレンドリーに接してくれるので、旅の思い出の1つに残ること間違いなし。私もまた石垣島に行く機会があれば、絶対に立ち寄ることだろう。


・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 栄福食堂
住所 沖縄県石垣市字大川274
営業時間 8:30~23:00(年中無休)

執筆:耕平 
Photo:RocketNews24.

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