抗原検査の規制に河野氏「無駄」 – 河野太郎

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新型コロナウイルスへの感染を診断できる抗原検査キットというものがあります。

鼻腔などから採取した検体にウイルス独自のタンパク質が含まれているかどうかを調べるものです。

PCR検査は、コロナウイルスのRNAを増幅して調べるため、増幅工程に時間がかかりますが、抗原検査はその時間が必要ないため、短時間で結果が出ます。

PCR検査と比べてキットによる抗原検査は精度が低いのではないかという指摘があります。

PCR検査は遺伝子を増幅する工程を示すCt値を増やすと、遺伝子の切れ端も増幅されていきますが、それが必ずしも感染力があるとは限りません。

感染拡大を引き起こす程度のウイルスがあるかどうかを特定する抗原検査の性能に関しては、科学的根拠があると考えられています。

低コスト、短時間で結果がわかる抗原検査キットが大量に供給できれば、学校や企業、飲食店やイベントなどで無症状者をキットで検査することで、感染拡大を防ぎながら経済を回していくことができるようになります。

また、PCR検査では検出できないこともある変異型の検出も抗原検査では可能です。

しかし、我が国では、厚労省の規制で、抗原検査キットのような体外診断薬の多くは医療機関のみで利用可能とされ、一般向けの販売ができません(我が国で一般向けの販売が認められている体外診断薬は、尿糖、乳蛋白、妊娠検査、排卵日予測検査の四種類のみです)。

今年6月に、医療機関と提携した事業者が抗原検査キットを購入できるようにルールを改正し、職場での検査を解禁しましたが、一般向けの販売はまだ認められませんでした。

そこで規制改革推進会議でこの問題を取り上げ、9月にコロナ特例として、薬局で一般向けの販売を認めることにしました。

ところが厚労省により、「薬剤師が対面で使用方法を説明し、購入者から署名をもらわなければならない」、「抗原キットを陳列してはならない」「広告してはならない」「無症状のものには推奨しない」「コロナウイルスとインフルエンザウイルスの両方を同時に検査できるキットは一般向けの販売は認めない」などといった意味のない規制がかけられました。

感染者が大きく減った今こそ、しっかりと検査する体制を整え、感染者の早期発見に努めなければならないのに、無駄な規制がそれを妨げています。

現在の厚労省の規制では、品質が確認され、承認された検査キットは医療用として上記のような規制がかけられてしまいますが、品質が確認されていないキットは、現在、「研究用」という名目で一般向けに販売されています。

そのためまさに「悪貨が良貨を駆逐する」ことになってしまっています。

また、冬になり、インフルエンザかコロナかわからない症状が広まる可能性がある中で、この二つのウイルスを同時に検査できるキットがすでにあるにもかかわらず、一般向けに使わせないというのは意味不明です。

その検査キットを使うためにわざわざ病院に行かなければなりませんが、自宅で検査してインフルエンザだとわかれば、そのまま静養していればよいのです。

現在の抗原検査キットは、PCR検査より短時間で結果が出るとはいえ、まだ20分程度時間がかかります。

これを1、2分で結果が出るようにできないか、政府・与党として支援していきたいと思います。

また、現在では、一回の検査のコストが1000円以上かかります。

これも1回100円程度まで下げられれば、さまざまな場面で使うことができるようになるはずです。

検体を採取するために鼻腔などを拭う方法を唾液でできれば、もっと簡単になります。

もっともっと低コスト、短時間で、簡単にできる抗原検査キットの開発を支援することで、経済の再活性化に繋げていきたいと思います。

左からコロナ専用検査キットで陰性、陽性、コロナとインフルエンザを同時に検査できる検査キットで両方陰性、コロナ陽性、インフルエンザ陽性。