神楽坂にある和食のお店に出かけました。ミシュランで13年連続3ツ星を維持し続けている、予約のなかなか取れない名店です。
インスタ映えするような、派手な盛り付けはありませんが、丁寧に下ごしらえして品のあるお料理と、心のこもった接客が、何回いってもしみじみと満足できる、お気に入りのお店です。
老舗の変わらない味を伝統として守っているように見えますが、毎回新しいお料理が登場して進化しています。
今回の最後に出てきた土鍋ご飯は、牛肉が入った珍しいものでした。ひょうきんなご主人の石川秀樹さんが自らテーブル前で仕上げをしてくれます。
炊き立てのご飯に生の牛肉の薄切りを入れて、かき混ぜてご飯の熱で牛肉に火を入れます。レア感の残った牛肉の味がご飯と一体になって、薄味で何杯でも食べられる絶妙な仕上がりでした。
老舗の人気店であっても、進歩や改善をやめてしまえば、お客様は離れていきます。世の中が変化して、来店客の好みが変われば現状維持は退化を意味するのです。
ソフトバンクの孫正義氏は「髪の毛が後退しているのではなく、私が前進しているのだ」という名言を残しました。
進化しているのか、退化しているのかは、自分の相対的な位置がどちらに向かっているかによって決められるものです。
世の中の変化よりも大きく動かなければ、それは相対的には退化を意味するのです。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年10月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。