日清の大人気商品であるカップ飯シリーズ。カレーメシをはじめとしてハヤシメシ、ウマーメシ、ぶっこみ飯などジャンルを問わず食べ応えのあるウマい飯を出し続けているのは周知の事実であろう。
今回も近所のコンビニに立ち寄ったところ新商品を見つけたのだが、いつもと雰囲気がまったく違う。なんなら180度越して540度ぐらい方向性が違う。
なんとパッケージは可愛いパステルカラーにファンシーな書体で「オシャーメシ」。……え? オ、オシャー!?
・新商品は女性向け
これまでのカップ飯シリーズはどちらかというとガッツリ食べたい方へ向けたいわゆる 男飯 的な方向性の商品が多かったのだが、新商品は「オシャレで美味しいスープごはん」ということで女性向けのようだ。
味は2種類で『トマトのスープごはん』と『酸辣湯のスープごはん』(どちらも定価は税別210円)。言われてみればこんなコンセプトのスープごはんって今までになかった気がする。盲点だった。
女性向けのコンセプトは味や名前だけではなく量にも表れている。トマトが60g 酸辣湯が57gと、通常のカレーメシ(107g)の半分程度。
ちょっと少ないんじゃないか? と思ったところ、パッケージにはサラダと一緒に食べている様子がプリントしてあった。
なるほど。通常のカレーメシは465kcalと意外にハイカロリー。量を半分にしてカロリーを230kcal前後と抑えめにしつつ サラダなどをちょい足しすることで、食べ過ぎることなく満足できる食事が成立するということなのか。
・優しい味だが満足感もバッチリ
さっそく作ってみよう! ということでフタを見てみると、どちらもあと入れの調味料が付属していた。気を付けなければいけないのは酸辣湯の仕上げのオシャラー油はフタの上での温めが必要で、トマトのエモさ調整チーズパウダーは温め不可。
どちらもネーミングに突っ込むべきか迷ったが……根っからの乙女というよりは、無理してブリっ子するアラサーOLっぽさを感じてしまう。日清のこういうとこ、私は嫌いじゃないよ。
いつも通りお湯を注いで混ぜる。これだけでご飯が完成するんだから、ラク過ぎるよな。
5分経ったらパカッ。うーん、エモーい!!
──ちょっと無理をして言ってみたが、意外に本格派らしくどちらからも美味しそうないい匂いがする。
どちらも調味料全投入で行くぜ!
まずはトマトのスープごはんからいただいてみる。
食べる前からトマトの香りが良いのだが、食べてもやはりトマトの酸味と甘みをたっぷりと感じさせてくれる。それらをチーズのまったりとした香りが包みこみ、まさにオシャー! といった味わいである。
パプリカやいんげんなど野菜がしっかり入っているのもポイント高め。コンビニ飯に食べ応えを求めた時、野菜は不足しがちだからな。
筆者個人的にはチーズパウダーはもうちょっとたくさんあった方がエモいかも……と思ったとは言え、材料費の問題でできないってのは想像に難くない。200円ちょっとでこれだけ美味しいご飯が食べられるんだから贅沢を言ったら罰が当たるだろう。
間違いなくおにぎりひとつ分以上の満足感を得られる、意外にも食べ応えのある1杯であった。
次は酸辣湯のスープごはん。
黒酢とごま油っぽい美味しそうな香りが漂ってくるので、本格中華が食べられるのではないかとかなり期待が高まっていた。そう、筆者は中華が好きなのだ。
インスタント食品に向けるにはいささかハードルが高すぎると思われる期待なのだが、一切裏切ってこないのがさすが日清食品である。ほんのり酸っぱ辛いスープにコリコリのきくらげ、フワフワの卵がドンピシャでしっかり中華しているのだ。
酸っぱさも辛さもとにかく優しいのだが、ショウガのおかげか体がじんわりあたたまってきてオシャー! 冷え性の方にはかなりオススメできるのではないだろうか。
トマト同様に満足感はおにぎり以上、カレーメシ未満。サラダと一緒に食べればノー罪悪感なヘルシーランチをいただけるだろう。
なお地味ではあるが筆者的ポイントが高いと思ったのは、カレーと違って匂いがキツくないことだ。
数年前に昼休憩中のオフィスでレトルトカレーを食べたとき、上司から「今カレー食べてるの誰?」と聞かれてそれ以来作れなくなってしまったことがある。空気が籠もりやすい室内で気を遣わずに食べられるのは、なにより有難いことなのではないだろうか。
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.