国民的人気のあった河野太郎氏が敗れ、岸田文雄氏が自民党総裁選挙に勝利した。河野太郎優勢との見方や、ネットでの人気がある高市早苗氏が注目される中で、ある意味では地味な候補であった岸田文雄氏が、堂々の圧倒的な票数で総裁となった。
★岸田文雄氏はすでに最初の投票でトップ票を獲得した。
1票差で岸田トップ。岸田・高市は、決選投票に残れなかった方が、反河野で協力することが決まっているので、これで岸田総理誕生か。 https://t.co/acl4y04f6M
岸田氏は、安倍前首相や約9年に渡り財務相を務める麻生太郎氏などの自民党の重鎮たちの覚えが良く、良くも悪くも、自身のやりたい政策がはっきりしていない。反原発で再生可能エネルギー推進を謳っていた河野太郎氏の場合、河野銘柄は明らかだったが、その点では、明確な岸田銘柄というのはあまりない。一方で、岸田氏は、マクロ経済政策では公益資本主義を打ち出しており、そのひとつが金融所得課税の強化である。こちらは、大きなインパクトを株式市場全体に与えうる。河野氏の偏ったエネルギー政策も深刻であったが、こちらも影響は大きい。
●岸田氏検討の金融所得課税強化 市場に警戒感
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA294G50Z20C21A9000000/
●株式売却益・配当へ課税強化案、米株価に冷や水
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB011B00R01C21A0000000/
現在、日本では株式売却益や配当など株主に課される税金は、他の所得とは分離され一律20%となっている。富裕層の多くが、累進課税で最大55%ともなる給与所得ではなく、こうしたエクイティから所得を得ているため、所得が1億円を超えると、かえって税負担率が下がっていく、という傾向が見られる。このことが格差を拡大させている、として批判されている。
なお、筆者は、これはよくある誤解で、富裕層は会社経営者が多いのだから、会社経営者は自分の会社の利益に対して法人税を払っていて、そこを見れば、それほど税負担率が低い、ということもないと考えているが、世間はそうは見ないであろう。実際に、働いていない富裕な投資家なら、あまり税金を払っていないことは事実であり、ここを狙って課税していくというのは、大衆の感情を考えれば、やむを得ない。
米国でも、バイデン政権は、株式売却益・配当へ課税強化により所得の再分配に動いている。米国で課税強化となれば、岸田内閣も増税に動くことになる。株式市場は戦々恐々としている。
さて、今週号のメルマガでは、ミクロな政策はあまりはっきりしない岸田内閣だが、それでも、どのような銘柄が追い風を受けるのか岸田総裁の生い立ちから考えてみたい。
★岸田氏の経歴は岸田銘柄を考えるヒントになろう。
ちなみに、岸田総裁は、開成卒で、二浪して東大落ちて、早稲田。先日のメルマガに書いたやつ。
https://t.co/6g9JI0SFn0
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