フォーエバー21、Robloxでの人気 デジタルファッション のリアル版発売:バーチャルとフィジカルをひとつのサイクルに

DIGIDAY

フォーエバー21(Forever 21)がRoblox(ロブロックス)でローンチしてから1年が経過、同ブランドはRobloxとの提携を拡大して、eコマースサイトと店舗でF21メタバースコレクション(F21 Metaverse Collection)をローンチした。12月1日に発表されたこのコレクションはRobloxで購入できるデジタルファッションにインスピレーションを得た初のコレクションであり、ファッションブランドらがメタバースで活動する新しい機会が示されている。

Robloxでの人気商品をリアル化

物理的なこのコレクションにはさまざまなパーカーやTシャツ、「フォーエバー」ビーニーが含まれている。このビーニーはRobloxのフォーエバー21ショップシティ(Forever 21 Shop City)でもっとも売れている商品だ。価格は14.99ドル(約2000円)から。フォーエバー21は、ショップシティではなく、インスタグラムに注力して自社のソーシャルチャネルでこのコレクションを宣伝する予定だという。

フォーエバー21は、2021年の終わりにRobloxでのデジタルファッションサービスを開始した。この黒いビーニーはRobloxで150万ユニット、1日あたり最大で2000ユニットを売り上げている。

「ますます多くの人々が仮想世界に参入するにつれて、顧客がいる場所で顧客にリーチし続けて手頃なトレンドファッションを提供することがいっそう重要になっている」と述べているのは、フォーエバー21の最高マーケティング・デジタル・オムニチャネル責任者、ジェイコブ・ホーキンス氏だ。「ソーシャルゲーム以外に、顧客が製品に何を求めているかを深く理解するための試験場としてRobloxを使うことができた」。Roblox内のフォーエバー21ショップシティには昨年以降25万回のアクセスがあった。これは、ナイキランド(Nikeland)の2800万回、トミー ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)のトミープレイ(Tommy Play)の2650万回など他ブランドのワールドと比較すると比較的低い数字である。

フォーエバー21は、昨年、仮想ワールド企業のバーチャルブランドグループ(Virtual Brand Group、以下VBG)と提携してRobloxのショッピング体験を構築した。VBGはラルフ ローレン(Ralph Lauren)、トミー ヒルフィガー、パクサン(PacSun)と協働してメタバースエクスペリエンスを作成している。

リブランディングの一環のメタバース戦略

全体的にメタバースの参入は若い世代にアピールするためのフォーエバー21のリブランディングの一環である。リブランディングには1月の新しいCEOの任命とブランド全体の新しい戦略が含まれている。2019年に破産申請を行い店舗を閉鎖して以来、フォーエバー21はオーセンティック・ブランズ・グループ(Authentic Brands Group)とサイモン・プロパティ・グループ(Simon Property Group)の合弁会社であるスパーク(SPARC)の傘下である。フォーエバー21はこれからの12~24カ月でVBGと共にメタバースドリブンビジネスを2000万ドル(約27億円)に成長させることを狙っている。

フォーエバー21は物理的なコレクションの展開と共に、仮想世界に注力したファッションのホリデーシーズンに対応している。12月の1カ月間、同社のRobloxのショッピング体験では限定版仮想アクセサリーコレクションが提供され、24時間限定販売で1日に1アイテムがローンチされる。Robloxの2022年度メタバース・ファッション・トレンド(2022 Metaverse Fashion Trend)レポートによると、Z世代ユーザーの70%が自分のアバターから自分が実際に着るスタイルのアイデアを得ているという。

ホーキンス氏によると、フォーエバー21は現在、物理的なコレクションを作成してそれをメタバースに応用すること、またその逆もできるという。「1年前、我々は仮想製品とリアルな製品ををひとつのサイクルに組み合わせるという仮説を立てたが、いまではそれが実行できるようになった。当社の前進のための基盤にできるイノベーションの循環は無限にある」。

Z世代のデジタルファッションへの移行を推進する手段

デジタルファッションスペースのドレスX(DressX)やザ・デマテリアライズド(The Dematerialized)のような持続可能性を優先するデジタルファッションブランドにとって、物理的なファッションブランドの研究開発はデジタルファッションの魅力の一部にすぎない。Z世代の消費者は実生活ではなくオンラインでのドレスアップに時間を費やしているため、最終的な目標はマスマーケットの生産ニーズの一部を切り替えることである。無駄な慣行に対して世間から批判を受けているファストファッションブランドにとってこれは魅力的な要素となる可能性がある。ザラ(Zara)は、2022年3月にデジタルファッションとビューティアイテムのコレクションであるメタバース・ライム・グラム(Metaverse Lime Glam)をローンチした。また、パクサンはRobloxに拠点を築き、ミニゲームとデジタルアイテムを使って若い層に対応している。

「一般的に普及すれば、デジタルファッションの最大の可能性のひとつにはファストファッション市場から廃棄物の大部分を吸収できることがある」と述べているのは、デジタルファッション企業、ザ・デマテリアライズドの共同創業者のマージョリー・ヘルナンデス氏だ。「デジタルファッションを通じてクールで新しいものを求めているユーザーの欲求を満たして、彼らがファストファッションを回避できるようにしたいと考えている」。

[原文:Forever 21 is selling clothing inspired by avatar best sellers

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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