モスバーガーを展開するモスフードサービスは9月9日、全国のモスバーガー店舗(一部店舗除く)にて、原材料に動物性食材を使わないハンバーガー、「グリーンバーガー<テリヤキ>」を9月22日に発売すると発表した。価格は580円(税込)。
「グリーンバーガー<テリヤキ>」、価格は580円
原材料に動物性食材と五葷(ごくん/ネギなど香りの強い野菜)を使用しない「グリーンバーガー」の第二弾。今回は同社が元祖として展開する「テリヤキバーガー」だ。
「グリーンバーガー<テリヤキ>」のこだわりポイント
「食の選択は、生き方である」をコンセプトとし、プラントベースの製品を展開している
大豆由来の植物性タンパクをベースに、しいたけエキスでうまみ、こんにゃくやキャベツで甘みや食感を加えたソイパティを使用している。客がソースの量を自由に調整調節できる「パキッテ」を採用。ソースを別添えにすることで、客が好きな量を調節できるほか、テイクアウトでもおいしさが長持ちする効果があるという。
ソースの量を調節できるパキッテ。この採用は、モスバーガー店舗(特殊店を除く)として初という
ターゲットは「フレキシタリアン」
調査によれば、約50%の人が新型コロナウイルス前後で食事の量や回数が変わっており、約16%の人が3食のうち1回を軽食にしたい意向を示すなど、食生活の新たな兆しが生まれている。
動物性食品を減らす意識を持つ「フレキシタリアン」は増加傾向に
また、健康志向に加え、地球環境への意識の高まりなどを受けて、植物性食材が注目されている背景がある。
本製品のターゲットは、そうした週1日以上植物性食品を減らしたい意向を持つ、「フレキシタリアン」だ。
モスフードサービス 執行役員 マーケティング本部長の安藤芳徳氏は、「精進料理のように厳しいスペックにしているが、(ターゲットは)ヴィーガンやベジタリアンではなく、フレキシタリアン。そのほうが圧倒的にパイが大きい。健康にいいからといってまずいものをつくるわけにいかないという使命でつくってきた」と自信を見せる。
左から、モスフードサービス マーケティング本部 商品開発部長の濱崎真一郎氏、タレント・モデルの近藤千尋さん、モスフードサービス 執行役員 マーケティング本部長の安藤芳徳氏
通常であればバンズに使用するバターはもちろんのこと、ソースとなるマヨネーズにも卵を使っていない。たとえば、ソースはコクを出すために枝豆を配合するなど、植物性素材だけであることを感じさせない味作りに苦労したという。
今回の商品はCM展開を予定しており、「テレビ宣伝をかけてまでやるべき商品なのかという話もある。モスバーガーの強みは野菜がたっぷりバーガーなので、どうしてもここは他社にゆずれないという意思の表れ」(安藤氏)と意気込む。
CMには、タレント・モデルの近藤千尋さんを起用。近藤さんは、(1)食べ応えがあるのにプラントベース、(2)ソースがあとがけなので食べやすい、(3)手軽に始められるサステナブル――と3つのおすすめポイントを挙げた。
「ボリュームもしっかりあって、パテがぼそぼそしない。弾力があってかみ応えがあって、動物性じゃないのと思うぐらいびっくりした」とコメントし、「ゆるくバランス生活が始められる」とアピールした。
タレント・モデルの近藤千尋さんがおすすめする3つのポイント
モスフードサービスは、今後も多様化する食のニーズに対して、食材だけでなく、食べ方の視点でも新しい楽しみ方を提供していくという。
近年のSDGsに対する重要性を受け、同社では「すべての人に健康と福祉を」「つくる責任 つかう責任」の2つの目標を通じて、社会課題の解決に取り組む。グリーンバーガーを通じて、SDGsの取り組みを国内外に向けて発信することも目指すとしている。
客の声から生まれた製品という。なお、テリヤキバーガーは、モスバーガーが日本の大手ハンバーガーチェーンにおいて初めて1973年5月に販売したという