ライフハッカー[日本版]2021年8月16日掲載の記事より転載
「iCloudを主要なバックアップサービスとして使用してはならない」と以前から言われていますが、Googleのある社員が遭遇した悲惨な出来事がこの言葉をあらためて思い出させてくれます。
Erin Sparlingさんは、「古いiCloudバックアップを削除する」というAppleのポリシーのせいで、何年分もの図面やその他のデータを失いました。
何が起こったのか
Sparlingさんは、家族がiPadを使って教えることができるように、2020年後半にiPadをiCloudにバックアップして、データをiPadから消去したとTwitterで語っています。
その後、6か月以上経ってから新しいiPadを購入し、iCloudバックアップを復元しようとしました。
彼が自分のiCloudバックアップが消えてしまっていることに気づいたのはそのときです。
データは他のどこにも保存されていないので、何年分ものデータにアクセスする方法はありません。では、なぜこんなことが起こったのでしょうか?
なぜiCloudバックアップは消えるのか
それは、使用されなくなったiCloudバックアップは、ユーザーが無効にするか使用しなくなってから180日経つと削除するというポリシーがAppleにあるからです。
これは、Appleサポートページで「バックアップを削除してデバイスのiCloudバックアップをオフにする」という見出しの下に記載されています。
このポリシーは何も悪くありません。不要になったデータや使用しなくなったデータを永久に保存することはできませんし、サーバーのコストが増えて、おそらく環境にも悪影響を及ぼします。
しかし、この場合のAppleの大きな過ちは、バックアップがもうすぐ自動的に削除されることをユーザーに警告しないことです。
削除する前に新しいデバイスにバックアップを復元することを求めるメールでリマインドすると、多くの人がデータの不必要な損失を避けることができます。
iCloudバックアップを無効にするときは、バックアップが自動的に削除される日についてAppleがわかりやすく警告してくれると便利です。
Appleは今後どのような対処をするか
少額の料金と引き換えに、こうしたバックアップをもっと長期間保存できるオプションをユーザーに提供することは、Appleにとってそれほど悪い考えではありません。
SparlingさんがTwitterで指摘したように、問題は「Appleの放棄されたデータのバージョンは彼自身のものではない」ということです。
Appleのような巨大企業から見れば、使用しなくなったデータを自動的に削除することは合理的なポリシーです。
しかし、それでは割り切れないこともあります。数ギガバイトのデータの損失は、Appleが注意を払うほどの大問題ではなくても、一部の人々にとっては壊滅的なことになりえます。
iCloud以外の場所にもバックアップすることが推奨される
Appleがこの問題を修正することにするまでは、iCloudを唯一のバックアップサービスではなくて、追加的なバックアップサービスとして使用することをおすすめします。
たとえば、iCloudバックアップを作成すると同時に、iPhoneやiPadをPCに簡単にバックアップできます。
Original Article: Thinking of Using iCloud Backups on Your iPhone? Read This First by MakeUseOf