今シーズンのプロ野球は、高卒3年目の選手たちが次々と頭角を現している。
広島の小園海斗は遊撃のレギュラーに定着し、林晃太も左の強打者としてアピール。日本ハムの野村佑希は退団した中田翔の穴を埋める和製大砲として4番に抜擢され、巨人の戸郷翔征は8勝をマークして先発ローテーションに不可欠な存在に。ロッテ・藤原恭大も走攻守3拍子揃ったプレースタイルで7月から「2番・中堅」でスタメン出場している。
野球への姿勢はストイックだが…
ただ、この中で「世代を代表する選手」として将来を嘱望された中日・根尾昂の名前がない。
今季はプロ入り後初の開幕一軍切符を勝ち取り、開幕戦に「8番・左翼」で先発出場。5月4日のDeNA戦(バンテリンドームナゴヤ)でプロ初本塁打となる満塁本塁打を放ったが、打率は1割台に低迷して6月以降は途中出場が主になった。後半戦はファーム暮らしが続いている。
「根尾の課題は打撃です。入団当初から速い球を引っ張れないことが指摘されていましたが、今も解消されていない。差し込まれた打球が目立ち、確実性が低い。もちろん潜在能力は高いです。足は速いし肩が強い。個人的には外野の方が合うかなと思います。
ただ打撃が向上しないと1軍に定着するのは厳しい。野球に対するストイックな姿勢は変わらないので何とか報われて欲しいですね」(スポーツ紙記者)
大阪桐蔭で藤原と共に2年春、3年春、夏と全国制覇を達成。最速150キロの直球を武器に春のセンバツ大会で史上初の2年連続優勝投手に輝き、打撃でも高校32本塁打をマークした。
ドラフトでは中日、日本ハム、巨人、ヤクルトの4球団が競合して抽選の結果、中日に入団した。大谷翔平(エンゼルス)以来の「二刀流」も囁かれたが、本人の希望により野手一本で勝負することを決断した。