東京パラリンピック開会式では、大会ボランティアがアフガニスタン国旗を運び入れた
アフガニスタンのパラリンピック選手2人が、国外に避難した後、東京に無事到着した。大会に出場する。国際パラリンピック委員会(IPC)が28日、明らかにした。
テコンドー女子のザキア・フダダディ選手(22)と、陸上男子のホサイン・ラスーリ選手(26)。25日に競技が始まった東京パラリンピックに出場する予定だった。
しかし、アフガニスタンでタリバンが権力を握ると、他の何千人ものアフガン国民と同様、出国できなくなった。
IPCのアンドリュー・パーソンズ会長は、「私たちは決して希望を捨てなかった」と話した。
「選手が2人とも東京2020に参加できるチャンスがわずかにあることは、ずっとわかっていた。だからアフガン国旗を火曜日(24日)の開会式で行進させた」
東京パラリンピックの開会式では、大会ボランティアによってアフガニスタンの国旗が運び込まれていた。
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フランスで保養後に日本へ
IPCは25日、2人について、安全な場所にいると発表。パーソンズ会長はその後、2人は日本に向かう途中で、フランスの国立スポーツ体育研究所で1週間過ごしたと明らかにした。同研究所は、フランス青少年・スポーツ省が管理する、ハイレベル選手のためのトレーニングセンター。
「私たちは今から12日前に、アフガンのパラリンピックチームが東京に移動できないと知った。パラリンピック・ムーブメントに関わるすべての人が落胆し、選手2人もひどく落ち込んだ」と、パーソンズ会長は話した。
「その発表をきっかけに、重要な国際計画が動き出した。そして、2人のアフガニスタンからの安全な避難と、フランスでの保養、そしてこのたびの東京への無事の到着につながった」
「私たちが最優先するのは、これまでもこれからも、選手2人の健康と幸福だ」
アフガン初の女性パラ選手に
IPCの選手委員会のチェルシー・ゴテル委員長は、「今までもこの先も、最も大事なのはザキアとホサインの身体的、精神的な健康だ。2人は私たちと共にいる間、パラリンピック関連団体から全面的な支援を受ける」と付け加えた。
フダダディ選手は、アフガニスタン代表としてパラリンピックに出場する最初の女性選手となる。
彼女は9月2日、テコンドー女子49キロ級K44の試合に臨む。一方のラスーリ選手は、3日にある陸上男子400メートルT47の予選に出場する。