目だ…目だよオイ…(泣)。
国際研究チームがラボで人間の脳を模した組織を培養したところ、つぶらな瞳のようなものがポッカリとでき世界が震えています。左右対称な眼杯で、光も感知できるらしい…。見た目は怖いですが、意識はないから大丈夫だということです。
使ったのは多能性幹細胞で、体細胞生成プロセスの研究が目的。
幹細胞研究は、これまでにも幹細胞療法でマウスの嗅覚系が回復したり、半分人間の脳を提供したりと進化のスピードが目覚ましいですけど、今回ミニ脳で再現したのは、人体の胚のなかで目が発達するプロセスです。詳細は先週Cell Stem Cellジャーナルに掲載された論文で読むことができます。
論文共著者である独デュッセルドルフ大学付属病院のJay Gopalakrishnan生物学教授は、次のようにプレスリリースで語っていますよ。
「光を認知でき、体内の組織に似た細胞タイプを有する原始的な知覚認知構造。それを生成できる脳オルガノイドの驚異的能力が示された形です」
「オルガノイドは、胚の発達期に脳と目の間にどんなインタラクションがあるかを解明する参考になるほか、先天性網膜障害のモデリングや、薬剤試験や移植治療用に個別の患者の網膜細胞のタイプを生成する面で役立てるといった活用が可能です」
以下は、眼杯生成プロセスを図で現したもの。
だいたい2カ月のスパンで形成されるみたいですね。
初日:幹細胞はバラバラの点
10日後:ニューロスフィア(球状の細胞凝集塊)が形成される
30日後:おでご側に原始眼球(網膜細胞の塊)がついたオルガノイドになる
60日後:完全な眼胞(眼の土台。脳とつながる部位)ができる
チームが生成した脳オルガノイドの70%でこのような眼杯の生成が確認されたのだそう。いずれも光を感知する電気的にアクティブな神経系で、しっかりレンズと角膜細胞も付いているとのことです。いや〜これで眼の病気や胚の研究ができるんだから、オルガノイドってすごいわあ…。