2021年後半のリリースを目前に控え、すでに開発者向けビルドのリリースも始まっているWindows 11では、規定のブラウザを後から変更する方法が非常に煩雑になっていることが判明しました。
Microsoft is making it harder to switch default browsers in Windows 11 – The Verge
https://www.theverge.com/22630319/microsoft-windows-11-default-browser-changes
IT系ニュースサイト・The Vergeの報告によると、Windows 11でリンクをクリックするなどしてブラウザを起動すると、以下のように規定のブラウザを選択する画面が表示されるとのこと。しかし、この画面が表示されるのは最初の1回のみで、このタイミングを逃すと後から一括で規定のブラウザを変更することはできません。
後から規定のブラウザを変更するには、HTM・HTML・PDF・SHTML・SVG・WEBP・XHT・XHTML・FTP・HTTP・HTTPSといったファイルやリンクの種類ごとに、ブラウザを選択しなければならないとのこと。これは、「ブラウザ」「ビデオプレイヤー」「フォトビューアー」などのカテゴリごとに一括で規定のアプリを選択できたWindows 10に比べると大きな改悪だと、The Vergeは指摘しました。
以下の動画を見ると、拡張子ごとに規定のアプリをEdgeからChromeへと1つずつ設定するのが、いかに手間かが分かります。
しかも、Edgeから他のブラウザへと切り替えるのを考え直すよう求めるメッセージが表示されることもあります。
Firefox・Chrome・Opera・Vivaldi・Braveといったブラウザでは、初回起動時に既定のブラウザに指定するためのダイアログが表示されます。しかし、The Vergeがこれらのブラウザの最新バージョンをテストしたところ、正しく規定のブラウザを設定できたのはFirefoxだけで、他のブラウザでは上述の手間がかかる設定が必要でした。
また、Windows 11には検索欄から直接検索ができるタスクバーウィジェットが新しく追加されていますが、ウィジェットの検索結果からサイトを開くと、規定のブラウザを完全に無視してEdgeが起動するとのことです。
Microsoftの広報担当者はThe Vergeに対して、「Windows 11では、デフォルトの設定をより細かくカスタマイズするために、アプリのカテゴリを廃止しています」と述べて、今回の変更はカスタマイズ性を高めるためのものだと説明しました。
一方、Firefoxの開発会社・Mozillaのシニア・バイス・プレジデントであるセレーナ・デッケルマン氏は、今回の変更について「規定のブラウザに関する設定を変えようとすると、余計な手順を踏まなければならなくなりました。これは、控えめに言っても混乱を招くもので、Microsoftのブラウザ以外の選択肢をなくすよう意図されたもののようにしか見えません」とコメント。
また、GoogleでChromeやAndroidのシニア・バイス・プレジデントを務めるヒロシ・ロックハイマー氏はTwitterで、「(規定のブラウザの変更がわずらわしい現状は)開発者向けプレビュー版だけのもので、正式にリリースされるWindows 11はMicrosoftの主張通りになっていることを願っています。このままでは、Microsoftが主張している『選択肢』とはほど遠いものですから」と述べました。
この記事のタイトルとURLをコピーする