橋下徹氏語るコロナ病床増えぬ訳 – PRESIDENT Online

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国内で新型コロナの感染者数は増えたが、ワクチン普及の効果もあり死者、重症者数は世界の主要国に比べれば低いレベルに収まっている。医療資源に乏しいわけでもない。それなのに、政府や医療界は相変わらず国民に行動制限を押し付けるばかりで、コロナ病床は少なく、逼迫したままだ。一体どういうことか。橋下徹氏の見解は? プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(8月17日配信)から抜粋記事をお届けします。

増えないベッド数! 病院側にも言い分はあるが……

昨年2020年3月頃から新型コロナ感染症の拡大が問題になり始めたが、当初新型コロナ患者に対応できる病院は少なかった。当時は未知のウイルスであり、治療方法も感染防御方法も手探り状態であった。

橋下 徹『大阪都構想&万博の表とウラ全部話そう』(プレジデント社)
橋下 徹『大阪都構想&万博の表とウラ全部話そう』(プレジデント社)

日本には一般病床が約88万床もあるが、これは人口当たりのベッド数として世界各国の中でも断トツに多い。

しかしこのベッド数のうちコロナ患者に対応(即応)できるベッド数は3万4000床で、全体の約4%。未知のウイルスとの闘いという特殊事情はあるにせよ、コロナ対応できるベッド数の割合があまりにも少ないのではないかと問題になった。

当然、「コロナ対応できるベッド数を増やすべきだ!!」という声が上がった。

ところが、このベッド数がなかなか増えない。このベッド数の中には、コロナ重症者対応のベッド数も含まれており、このベッド数も増えない。

もちろん病院側にも言い分はある。

日本の病院は民間病院が全体の8割を占めている。そしてその多くが病床200床以下の中小病院だ。

中小病院になると、その施設の大きさから、感染者(疑い者)と非感染者を分けるゾーニングができない。また医療スタッフにも限りがある。

ゆえに簡単にコロナ患者を受け入れることができないというのだ。

もし病院内で感染クラスターが発生してしまうと、病院業務を停止せざるを得ず、中小病院の経営に打撃となる。

だから政治がいくら病院側に、コロナ対応のベッド数を増やすように要請してもなかなか増えないのだ。つまり病院側が拒否をしている。

感染症対策の王道は病床数を増やすことだ

この点を打開するために、アメとムチの、「アメ」作戦が行われた。

コロナ対応ベッドを増やせば多額の補助金を出すという制度だ。

しかしそれでも思うようにベッド数が増えない。

こういうことで感染者数や重症者数が増えると、すぐにベッドがいっぱいになり、日本社会はてんやわんやの大慌てになる。この1年半ほどはその繰り返しだった。

政府コロナ感染症対策分科会や医療界側は、国民の行動制限をすぐに求めるようになる。

しかし、必要なときに必要なベッド数を増やすことこそが医療行政の王道だ。

昨年のコロナ禍発生から、すでに約1年半が経過している。この間にベッド数を柔軟に増減できる仕組みを作るのが政治の責任だったはずなのにいまだにできていない。

病院側がベッド数の増加を拒むのであれば、最後は法律を作って強制的に増減させる制度にするべきだ。

(以下省略/全文はメールマガジンでお読みください)

(ここまでリード文を除き約1000字、メールマガジン全文は約1万2500字です)

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.259(8月17日配信)から一部を抜粋したものです。気になった方は、メールマガジン購読をご検討ください。今号は《【コロナ禍転じて大改革へ!(2)】重症者をケアする大病院、保健所との役割分担で活かせ「開業医の底力」》特集です。

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橋下 徹(はしもと・とおる)
元大阪市長・元大阪府知事
1969年、東京都生まれ。弁護士、政治評論家。2008年から大阪府知事、11年から大阪市長を歴任し、大阪都構想住民投票の実施や、行政組織・財政改革などを行う。15年に大阪市長を任期満了で退任。現在、テレビ出演、講演、執筆活動を中心に多方面で活動。『実行力』『異端のすすめ』『交渉力』『大阪都構想&万博の表とウラ全部話そう』など著書多数。
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(元大阪市長・元大阪府知事 橋下 徹)

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