オンライン会議でのマルチタスク志向–参加者10人以上で可能性が2倍

CNET Japan

 米国のMicrosoft従業員を対象とした大規模な調査は、在宅勤務中に複数の作業の釣り合いを取ろうとする従業員の間で、ビデオ会議中のマルチタスクが一般的に行われていることを示している。意外なことではないだろうが、時間が長く人数が多い会議ほど、参加者の注意が他のタスクに移りやすくなる。

 Microsoftはこの調査で、「Microsoft Teams」で開催されたリモート会議に関する大規模なテレメトリーデータに加えて、2020年における電子メール(「Outlook」)の使用、「OneDrive」や「SharePoint」に保存されたファイルの編集、さらには715人分の日誌を調べた。その結果、従業員はすべてのビデオ会議の約30%で電子メールを使用し、約25%の会議で「Word」文書などのファイルを編集していることが分かった。

 長時間の会議や早い時間帯に開催される会議で、参加者の注意が散漫になることが多かった。Microsoftの調査から、参加者が10人を超える会議ではマルチタスクをする可能性が2倍になり、開催時間が80分を超える会議ではマルチタスクをする可能性が20分以下の会議の6倍になることが明らかになっている。また、午前中に開催される会議でもマルチタスクが午後の会議よりも多くなる、と調査担当者は述べた。

 Microsoftは、スケジュールされた定期的な会議でも、マルチタスクが行われる可能性が高まるとしている。「臨時会議では通常、特定の参加者に関連する特定の問題が取り上げられるが、スケジュールされた会議、特に定期的な会議では、すべての参加者に等しく当てはまる、より広範な情報共有が含まれることが多い」。調査担当者はこのように述べている。

 Microsoftによると、従業員が会議中にマルチタスクをしがちであることには、プラス面とマイナス面の両方があるという。プラス面としては、他の仕事を処理できることが挙げられた。39%の回答者が、仕事の遅れを取り戻すためにマルチタスクをすると答えている。

 Microsoftの一部の従業員は、それが必要になった理由について、参加を求められる会議の数が増えたからだと説明した。このように、マルチタスクには従業員の生産性向上を実現する可能性がある。作業中のファイルや作成中のメモが会議に関連するものである場合は、特にそうだ。

 その一方で、従業員は仕事と関係のないタスクにも気を取られており、これにはソーシャルメディアのチェック、スマートフォンゲームのプレイがあるほか、猫の写真を見ていると回答した従業員も1人いた。従業員がマルチタスクをしがちなのは、自分の仕事と直接関係のない会議に招集されたときだ。

 「そうした関連性の低い会議では、認知的負荷の高さから、集中力を失ってしまうことがある」と調査担当者は述べた。リモートワークにも、在宅勤務環境から気をそらしてマルチタスクへと向かわせる要因が多くある。たとえば、子どもの世話もその1つだ。

 一部のケースでは、気を散らす要因が会議自体に組み込まれているように思える。Teamsや「Zoom」など、多くのビデオ会議アプリにはパラレルチャット機能があり、参加者は会議中にメッセージや画像、ファイルをルームに投稿できる。これには使い道があるが、特に大規模な会議では気が散る原因にもなる。

 Microsoftはこのトピックについて別の調査も実施しており、次のように結論付けている。

 「パラレルチャットを利用することで、より多くの参加者が、発表者の話を遮ることなく発言できるし、詳細、賛同、さらにはユーモアのための場も得られる。しかし、会議の主な目的から注意そらすこともあり、流れを追うのが難しい場合もある」

不安を和らげるためのマルチタスク

 パンデミック下でのリモートワーク自体の性質も、従業員の注意が持続する時間に影響を及ぼしている。Microsoftの調査では、一部の従業員が不安に対処するメカニズムとしてマルチタスクを行うと回答しており、これも会議に集中する能力に影響していることが明らかになった。

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