1位「SPY×FAMILY」、2位「新時代」–「2022年Z世代ヒットトレンドランキング」を発表

CNET Japan

 サイバーエージェントは12月23日、「2022年Z世代ヒットトレンドランキング」を発表した。

 インターネット広告事業の「サイバーエージェント次世代生活研究所」において、「2022年Z世代ヒットトレンド調査」を実施。12月8〜9日、全国の15歳〜59歳の男女2884人(うちZ世代は1236人)に調査した。

 2022年Z世代ヒットトレンド調査は、メディアや情報環境が多様化し、流行語やヒット商品などのトレンドが多様化、細分化する中、「Z世代の間で本当に流行ったもの」を明らかにすべく実施。全国のZ世代および、それより上の世代における定量調査の結果を比較することで、Z世代とその上の世代の間に存在するジェネレーションギャップを明らかにしたという。

若者向けコンテンツのほか、5位に「ヤクルト1000」

 Z世代ヒットトレンドランキング2022では、Z世代の間でヒットしたトレンドの1位が「SPY×FAMILY」(人気漫画/アニメ、Z世代の間で流行ったと実感されている数値は58.9%)、2位「新時代」(映画「ONE PIECE FILM RED」主題歌、58.5%)、3位「Ado」(歌手、52.5%)、4位「スプラトゥーン 3」(「Nintendo Switch」ソフト、50.6%)、5位「ヤクルト1000」(機能性表示食品、49.5%)となった。

 SPY×FAMILY、新時代、Adoさん、スプラトゥーン 3など、若者向けコンテンツ関連が上位を占める中、機能性表示食品であるヤクルト1000が5位にランクインするなど、コロナ禍において健康への意識が高まった可能性が考えられるという。

 上位30位をみると、SPY×FAMILY関連が3つ、「ONE PIECE」(漫画/アニメ)関連が4つ、「TikTok」(SNS)関連が5つ、「silent」(ドラマ)関連が3つ、「チェンソーマン」(漫画/アニメ)関連が2つ、「YouTube」(動画共有サービス)関連が2つといったように、Z世代の間での流行りがこれらに集中している。

 Z世代の間で「流行った」と実感した率が50%を超えたのは、上位4位のSPY×FAMILY、新時代、Adoさん、スプラトゥーン3のみであり、Z世代の間でも多様化、細分化が進んでいることが明らかとなった。

 「24歳までのZ世代」と「25歳以上のその他の世代」とのジェネレーションギャップを調べた「ジェネレーションギャップランキング」では、1位が「チグハグ」(THE SUPER FRUITの楽曲、24歳以下41.3%・25歳以上9.5%)、2位が「Habit」(SEKAI NO OWARIの楽曲、24歳以下46.8%・25歳以上17.4%)、3位が「ギャルピース」(ピースを逆さまにして前に出すポーズ、24歳以下47.0%・25歳以上18.0%)、4位が「美味しいヤミー感謝感謝」(美味しさを表すスカイピースの台詞、24歳以下29.4%・25歳以上3.0%)、5位が新時代(24歳以下58.5%・25歳以上32.9%)となっている。

 同社によると、チグハグ、Habit、新時代、また6位の「可愛くてごめん」はTikTokで、美味しいヤミー感謝感謝と7位の「コムドット」がYouTubeで特に流行ったことを踏まえ、TikTokとYouTubeがZ世代とその上の世代とのジェネレーションギャップを引き起こしていると考えている。

 また、Z世代ヒットトレンドランキング2022の基になった「言葉部門」「アーティスト・芸能人・インフルエンサー部門」「場所部門」「食べ物・飲み物部門」「ファッション・メイク部門」「音楽部門」「TikTok部門」「コンテンツ部門」の8部門のランキングも発表している。

 言葉部門では、1位に「○○、△△が好き」(SPY×FAMILYのアーニャ・フォージャーの台詞、24歳以下32.0%・25歳以上10.0%)、2位に「ブラボー」(サッカーW杯で話題になった長友佑都さんの台詞、24歳以下31.6%・25歳以上25.8%)、3位に美味しいヤミー感謝感謝(24歳以下29.4%・25歳以上3.0%)となった。

 「24歳までのZ世代」と「25歳以上のその他の世代」の差をみると、ブラボー(5.7%差)と「知らんけど」(根拠が曖昧なときに語尾につける言葉、24歳以下26.2%・25歳以上24.8%・1.5%差)を除き、その差が大きくなっている。このことから、「24歳までのZ世代」の間で本当に流行っている言葉を「25歳以上のその他の世代」がほぼ知らないことがわかる。なお、「24歳までのZ世代」の間で流行った言葉の多くがSNSやTikTok、YouTube上で流行ったものとなっており、流行語の世代分断がSNSやTikTokやYouTubeによって起こっている。

 アーティスト・芸能人・インフルエンサー部門では、1位のAdoさんに続き、「なにわ男子」「目黒蓮」「あのちゃん」「道枝駿佑」「橋本環奈」「鈴鹿央士」など芸能人が多くを占め、YouTuberやTikTokerより芸能人の影響力が依然強いことがわかった。

 場所部門では、「ジブリパーク」が38.5%と、2位の「SHEIN TOKYO」(16.5%)を引き離しての1位となった。

 なお、上位5位以下の数値が10%を切っているためヒットトレンドとは認定せず、上位6位までを掲載したとしている。

 食べ物・飲み物部門によると、ヤクルト1000以外は全て、「24歳までのZ世代」と「25歳以上のその他の世代」で差が大きくなっている。SNSやTikTokなどで話題になった食べ物や飲み物が「24歳までのZ世代」の間で流行るという構造になっており、Z世代よりSNSやTikTokを利用していない「25歳以上のその他の世代」では流行しにくい結果となった。

 また、上位8位以下の数値が10%を切っているためヒットトレンドとは認定せず、上位7位までを掲載したとしている。

 ファッション・メイク部門は、男女の数値差(女性が高く男性が低い)が大きかったため、「24歳までのZ世代」と「25歳以上のその他の世代」ともに女性のみの数値となっている。

 同部門では、「SHEIN」(通販ファッションブランド)や、「アームウォーマー」(袖にアクセントを加えるY2Kファッション)などY2Kファッション(Year2000の略語で、2000年代流行したファッションを指す言葉)関連がランクインした。

 また、「純欲メイク」(中国発祥のメイクの表現のひとつ)は、「24歳までのZ世代」と「25歳以上のその他の世代」の差が最も大きく(35.0%)、Z世代は中国からもメイクの情報を収集していることがわかる。

 コロナ自粛ムードが明け、「リップモンスター」(KATEの色持ちの良いリップ)、「TIRTIR MASK FIT RED CUSHION」(マスクをしても崩れないと話題のファンデーション)が上位にランクインし、マスクをしていても崩れないメイクの需要が読み取れるとしている。

 音楽部門では、新時代、「すずめ feat.十明」(映画「すずめの戸締まり」主題歌)や、「ミックスナッツ」(SPY×FAMILYのアニメ主題歌)、「KICK BACK」(チェンソーマンのアニメ主題歌)と、流行った映画やアニメの主題歌が上位を占めた。

 同時に、「ダンスホール」(フジテレビ「めざまし8」の主題歌)、「subtitle」(silentの主題歌)、「ツキヨミ」(TBSドラマ「クロサギ」の主題歌)、「きらり」(HondaのCMソング)、「もう一度」(フジテレビドラマ「ナイト・ドクター」の主題歌)など、音楽ジャンルにおいてはテレビ発のものも多い。

 TikTok部門は、今回の調査とは別に実施した「メディア調査」(9月29日〜10月3日に実施、全国男女15〜79歳の4900サンプルを対象としたインターネットリサーチ)をもとにしている。

 それによると、TikTokを利用しているZ世代(13〜24歳)は30.6%(Z世代男性24.2%、Z世代女性36.9%)で、ゆとり世代(25〜34歳)は13.6%、上の世代(30〜59歳)は7.9%という結果となった。

 このことから、TikTok部門にランキングされた音源やダンスなどは、中高年の間では流行しておらず、世代分断が生まれていると推測している。

 一方、「きつねダンス」(24歳以下41.3%、25歳以上48.5%)のみ、中高年の数値がZ世代よりも高く、世代を超えた流行になっているといえる。

 コンテンツ部門では、「週刊少年ジャンプ」関連(SPY×FAMILY、ONE PIECE FILM RED、ONE PIECE、チェンソーマン)が多くを占めた。

 なお、すずめの戸締まりが公開されたのは11月11日からで、同調査期間が12月8〜9日であったことを考えると、もう少し後の期間の調査であればより上位に位置していた可能性も考えられるという。

 サイバーエージェント次世代生活研究所は、Z世代を中心に消費者研究やZ世代向けマーケティングを行うなど、次世代生活について研究し、広告主企業における次世代のマーケティング施策立案の支援を行う研究組織。

 2019年11月の設立以降、広告主企業向けに次世代生活に関する調査や若者たちへの調査・インサイト開発・プロモーション施策立案・商品開発などを実施しており、社内外に幅広く還元していくことを目的として、次世代生活に関わるさまざまな知見を蓄積しているという。

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