東京の銭湯が8月1日から値上げへ – BLOGOS しらべる部

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東京都の公衆浴場(銭湯)の料金が8月1日から値上げされる。

都の公衆浴場対策協議会は6月、入浴料金の最高限度額を指定する公衆浴場入浴料金統制額について審議し、大人料金を現行の470円から480円にする10円の値上げを決めた。

社会経済、公衆浴場の経営環境、都民生活の安定といった観点など総合的な見地から見直した。

6歳以上12歳未満の180円、6歳未満の80円については据え置かれる。

銭湯ブームから一転、コロナ禍で利用客減少

東京都・生活文化局消費生活部の担当者によると、都の公衆浴場料金は2014年、2019年にそれぞれ消費増税にともなって10円ずつ値上げしてきたが、公衆浴場の経営環境を要因とする料金改定は2008年6月に原油高を背景に値上げして以来となる。今回は新型コロナウイルス感染拡大による利用者減少を理由に、浴場の料金収入が落ち込んだため値上げに踏み切った。

もともと銭湯をめぐっては厳しい状況が続いていた。都内の銭湯の延べ利用者数は2006年末の3927万人から、2020年末には2193万人と約45%減少。銭湯数は、自家風呂の増加、経営者の高齢化、施設設備の老朽化などを背景に2006年末の963軒から、今年6月末の489軒と約15年間でほぼ半数に減少している。

一方でコロナ禍前の2018年、2019年頃は、若者、ジョギングなどの運動を楽しむ人、インバウンドなどの間で利用が広がり、担当者は「『銭湯ブーム』ともいえる状況にあった」と指摘する。急激な減少が続いていた年間の延べ利用者数も、ブームの影響で2016年以降は下げ止まって2300万人台を維持していた。

しかし、2020年は新型コロナ感染拡大にともなう緊急事態宣言期間中に利用客が約3割減るなどし、年間の延べ利用者数も2200万人台を割り込んだ。

12歳未満の子ども料金は据え置いたワケ

写真AC

12歳未満の子ども料金については、2000年の値上げを最後に、2度の消費増税にともなう料金改定の際にも値上げせずに据え置かれてきた。これについて担当者は、2つ理由があると説明する。

1つは、12歳未満の利用者数は大人の2.4%程度にしか満たないため、値上げをするメリットが小さいこと。

もう1つは、浴場利用者数が減少する中、子どもたちにも広く銭湯文化を経験してほしいからだという。

担当者は「自家風呂が増え、純粋に身体を清潔に保つという目的であれば銭湯に足を運ばなくてもいい時代になった」としつつ、コロナ禍前の数年は「広くてゆったりできる、いつもの仲間と話ができる、昔ながらの風景の中でゆっくりできるといった銭湯特有の楽しみ方で再びファンが付くようになっていたところだった」と説明。銭湯文化、公衆浴場経営を引き続き維持していくため、今回の料金改定への理解を求めている。

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