メタバース(仮想空間)で参議院選挙を体験できる投票所が登場した。東京都大田区の荻野稔区議(無所属)が公開し、3日間で約600人が来場した。2022年6月28日には立憲民主党の泉健太代表も訪れ、サービスに触れた。
メタバースを用いた選挙活動
荻野氏は25日、VR(仮想現実)サービス「VRチャット」上に「選挙に行こう!投票所Polling Placein Japan」というコミュニティを公開した。荻野氏はJ-CASTニュースの取材に「選挙そのものにいったことがない、インターネットを中心に若い層に関心を持ってもらう企画の一環として、栗下善行氏(立憲民主党)と一緒に、VRチャットの愛好者の方々の意見も聞きながら企画しました」と述べる。
クリエイターに発注し、制作期間はおおよそ1か月ほど。VR空間で自身のアバターの選挙ポスターを制作したり、選挙カーに乗って演説ができたりするなど、VRチャットならではのギミックにこだわった。今回は7月10日投開票の参院選をモチーフとしており、選挙区と比例区の双方の投票を体験できる。
荻野氏によれば、ワールドには28日昼過ぎまでに600人以上が訪問し、東京都知事の小池百合子氏や立憲民主党の泉代表も訪問予定だという。荻野氏は「作成途中や完成後にもいろんなアイディアが浮かんできており、早く次を作りたいなとも思っています。政治や行政だけでなく、様々なことを自宅のPCやスマホの前から体験できるように取り組みを続けていきたいと思っています」と意気込んだ。
泉代表は28日に来訪し、VR投票を楽しむ様子を自身のユーチューブチャンネル上で公開し、実際の選挙への投票を呼び掛けた。村井宗明元衆議院議員によれば、泉代表はメタバース集会の実施を検討しているという。
選挙活動のメタバース活用をめぐっては、自由民主党青年局が2022年6月5日に「メタバース演説会」を開催し、河野太郎党広報本部長や牧島かれんデジタル相がアバター(分身)で登壇した。主催者発表では1000人ほどが集まった。
開票日には、TBSが選挙特番「選挙の日2022 私たちの明日」の番組内で放送するディスカッションの一部をメタバース内で実施すると予告している。