他人の食べ物を、隠れて勝手に食べる盗み食い。
一度はやってみたいが、実際にやるとどんな気がするのだろう?
緊張して、そもそも味なんかするのか?
それとも得した気分がするのか?
試してきたので報告します。
あたかも盗み食い
とはいえ本当に他人のものを盗み食いするといろいろ差し障りがある。
ということで、盗み食いされる側として編集部の橋田さんにご協力いただき、私が自分のために買ってきた食べ物を橋田さんの前に置き、それを盗み食いするかのようにコソコソ食べるという、「あたかも盗み食い」形式で試すことにした。
そして隙を作るために新聞を読んでもらう。
「給料日前で金銭的に仕方なくざるそばを買ったものの本当はナポリタンが食べたかった」と思い込む。
「すぐそばにスポーツ新聞を読みながらナポリタンを食べようとしている人がいる」
「うらやましい、盗み食いしてやる」
という気分が盛り上がってきた。
いざ!盗み食う
準備は整った。隙を見てバレないように盗み食おう。
正直に言ってとてもおいしい!
驚くべきことに普通に食べるより数倍おいしい。
不思議なことに、パスタが空中にある間はドキドキするものの、自分の皿の上に乗っけてしまえば安全圏に入り「もうこっちのもんだ」という気がしてくる。
俺のモンだ、俺のモンだ、俺のパスタだ。誰にも渡さねえ、なんぴとたりとも、などとナポリタンに異常に執着するようになる。
だんだんと犯行が大胆になり、立ち上がって盗みはじめる。
頭の中は「こっちのモンだ、こっちのモンだ」というカンダタ根性で一杯となり、狂暴化してよく噛まずに食べる。
うまい!
見つからないように慌ててかきこむため喉につかえて少し痛い。ゲンコツで胸のあたりをドンドン叩くあの感じ。
この痛みがうまい!痛うま!
盗み食いされる視点でみてみる
ここまでは盗み食いする視点でみてきたが、ここからは盗み食いされる視点でみてみよう。
終了後、橋田さんに盗み食いされる気分を聞いてみたところ「ムカつく」「盗んでいるところも全部見えていた」「もたもたせずにサッサと食べて欲しかった」などの忌憚のない意見が寄せられた。
餃子でやってみる
今度はパスタよりも盗み食いしやすい餃子で試してみることにする。
最後は「だいじょうぶだあ」における志村けんと柄本明の名作コントと同様の結果になってしまった。
攻守交替
盗み食いをして美味しく感じるだなんて私の人間性に問題があるのだろうか?
他の人ならばどう感じるのかを確認するために、今度は立場を変えて橋田さんに私の餃子を盗み食いしてもらおう。
盗み食いが美味しいと感じるのは私だけではなかった。
盗み食うというゲーム性から生まれる面白さがプラスされて美味しく感じるのかもしれない。
だからといってくれぐれも、本当に盗み食うのはやめましょう。