メモ
ウクライナに侵攻したロシアは、偽旗作戦やその他の情報作戦を仕掛けて敵味方を混乱におとしめているほか、都市部を爆撃して多数の民間人を殺害していることが報じられています。このような戦い方をアメリカ軍が早速参照し、同様の状況を想定した訓練を行う予定です。
US Army using lessons from Ukraine war to aid own training | AP News
https://apnews.com/article/russia-ukraine-war-us-army-training-54e76eba46f9bf79542dd3f872456e67
今回の戦争は過去のものとは違い、戦争に関する情報が政府機関だけではなく民間人からも報告されており、各国の人々がSNSで簡単に戦争に関する情報に触れることができることから、「TikTok戦争」などと評されています。
各国の政府機関や各ソーシャルメディアはメディアや個人による偽情報の拡散が相次いでいることから情報の取り扱いに注意するよう呼びかけており、TwitterやFacebookなどはデマを発信するアカウントを削除すること、ロシア当局はTwitterとFacebookへの国内からのアクセスをブロックすることで対応しています。
AP通信によると、アメリカ軍はSNSなどで誤情報が拡散されているウクライナ侵攻を戦訓とし、SNSで誤情報が拡散されている状況を想定した訓練を開始するとのこと。報道によるとテキサス州に拠点を置く第1騎兵師団第2旅団の約4500人の兵士が、SNSによるプロパガンダを駆使する敵国役の第11装甲騎兵連隊と模擬戦争を行うとのことで、第11装甲騎兵連隊は「携帯電話を利用して情報をSNSに素早く投稿すること」「電子戦やプロパガンダなど、利用できるすべての情報戦を実行すること」「地元住民として行動するロールプレイを行うこと」といった作戦を展開する予定。これにより、第11装甲騎兵連隊は第1騎兵師団第2旅団について「第三者に可能な限り最悪の印象を与えることができる」としています。
また、アメリカ軍は「ロシア軍が戦争の初期にすべての軍隊をうまくまとめられず、空爆を一貫して行うも地上部隊を支援しきれなかったことは『失敗』であり、これがロシア軍が郊外から都市部を爆撃し、病院や民間住宅などを攻撃し、民間人を殺害することにつながった」と分析し、こうしたロシア軍の破壊活動を前提とした対策も進める見込み。イアン・パーマー陸軍大佐は「私たちはインフラストラクチャを破壊しようとする敵と戦う方法に重きを置いています。無差別に大砲を放つ敵との市街戦に備える必要があります」と主張しました。
訓練ではこのほかにも、ロシア・ウクライナ戦争で実際に使用されたドローンを想定したものや、ヨーロッパの柔らかい地盤を想定した戦車の適切な運用法などが検討されるとのこと。アメリカ軍が実際の戦争を想定して訓練を行うのは初めてではなく、イラク戦争後には対反乱分子を想定した訓練を行っていたり、2019年にはロシアや中国との戦闘を想定した冬季特別訓練を行ったりしています。
この記事のタイトルとURLをコピーする
・関連記事
ロシアによる「ウクライナがウソをついている」というフェイクニュースが爆増中 – GIGAZINE
Googleが「ウクライナ侵攻に『戦争』という単語を使うな」とロシア語の翻訳業者に指示している – GIGAZINE
ウクライナの民間人がロシア兵に毒物を食べさせて殺害、毒入りの酒で病院に担ぎ込まれるロシア兵も – GIGAZINE
ロシアによるウクライナを標的としたサイバー攻撃が目立たないのはなぜか? – GIGAZINE
ロシアがウクライナでのモバイル通信を確立するためにハッカーを雇っていたことが明らかに – GIGAZINE
ロシアのウクライナ侵攻に関する正しい情報をロシア人に無作為に送るためのウェブサイトが登場、ロシア政府の情報統制に対抗 – GIGAZINE
・関連コンテンツ
2022年04月18日 21時00分00秒 in Posted by log1p_kr
You can read the machine translated English article here.