ひとりだけ金ピカの奴がいる
なにかと通り道だったりして、銀座をよく歩くのだ。
高級ブランドの路面店が建ち並ぶ中、ファッションに疎い僕は店にはいることはほとんどないのだけど、そうなるともっぱら目に入ってくるのが、店の外から見えるショーウィンドウである。
いつも趣向を凝らしてあってすごい。ただ服が飾ってあるだけじゃなくて、小さなスペースの中で世界観が完成してるのだ。
今回は、銀座の路面店を中心に、都内の路面店、デパート、セレクトショップなども回って、ディスプレイの数々を集めてみた。
※2011年2月に掲載された記事の写真画像を大きくして再掲載しました。
シチュエーションが変
といっても、ファッションやディスプレイデザインの観点から鑑賞していこう、という主旨ではない。
さきほど「世界観が完成してるのだ」と書いたが、完成しているがゆえに、この世界からちょっと遠くに行ってしまうことがある。そういう現実離れしてしまった違和感を楽しんでいこうというのが今日の主旨だ。
まずはシチュエーションに注目。冷静に一歩引いてみてみると、なんだか状況が変なのだ。
いろいろ見て回ってわかったのだけど、面白いのは圧倒的に高級ブランドが多い。金かけてるからだ。
服をきれいに見せるためにやってるのはどこも同じなんだけど、それにくわえて、そういうところは「ディスプレー自体が作品」っていう気概がビシビシ伝わってくる。腰が入ってるのだ。
そういう前提で独自の世界観打ち出してやってるところが、見ていても面白いし、変だ。
ポーズ・衣装が変
そもそも服を見せるためのディスプレーなので、たいていマネキンがいる。人がいるということは何らかの姿勢を取っているわけで、そのポーズがやたらかっこよかったり、変だったりという場合があるのだ。
今回、銀座、表参道~青山、新宿の3箇所を回った。その中で圧倒的に面白いのは銀座で、それは前ページに書いたけど、高級ブランドの路面店が多いから。
次おもしろかったのが新宿。デパートが色々あって、つぎのページで紹介するけど伊勢丹なんかが吹っ切れてて面白かった。
表参道あたりはセレクトショップが多かったりして、ブランドイメージでバーン!というより、服をきれいに見せたい、という感じ。おとなしいディスプレーが多かった。
そもそも人が変
着せるものだけじゃなくて、その前にそもそもマネキンのデザインが凝っている、というケースもある。髪型だったり、材質だったり。
もちろん服が主役なのでマネキンはオマケのようなものだと思うのだが、そんなポジションにもかかわらずガンガン主張してくるマネキンたちを見ていきたい。
人以外も変
路面店にはだいたいマネキンがいるのだが、そうとは限らないのがデパート。この記事が掲載される2/14はちょうどバレンタインデーなので、バレンタインをイメージしたキャンペーンディスプレーが目立った。
そういうお店では、必ずしも人は出てこなくて、たとえばこんなふうに猫が活躍してたりする。
ウィンドウショッピング楽しい
寒空の下、3つの街のすべての通りをくまなく回るという苦行のような取材だったが、ショーウィンドウを見ていると楽しくてぜんぜん苦にならなかった。
「買わなくても買い物が楽しい」みたいな感覚ってぜんぜん理解できなかったんだけど、ああこういうことかな、ってちょっと思いました。(とはいえ趣味がショッピングの人が、みんな魔貫光殺砲のこと考えながら歩いてるとは思えませんが…)