メッコールの味を再現したい(デジタルリマスター)

デイリーポータルZ

好き嫌いがわかれます

メッコールという飲み物をご存知だろうか。
簡単に言うと「麦サイダー」のようなものだ。

昔から好物のひとつだが、あまり売っていないので入手困難。レアなドリンクとしても知られている。

すっかり見かけなくなったため、家で手軽にメッコール(に近いもの)を飲みたいという欲望からこの実験に至った。

2009年2月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

どこで売っているのか

ご存知の方も多いと思うが、メッコールは、ドクターペッパーやルートビアに並んでマニア受けする味と言われる清涼飲料水。一般的には「まずい麦ジュース」と認識されている。
売られているのは主に自販機。
そしてその自販機が全国で150強という。少な!その多くは関東に集中しており、全国的にゼロの県のほうが断然多い。

私は高校生の頃、予備校ちかくの自販機で買っていたが、時が経ちいつのまにかメッコール自販機は消え去っていた。他の土地でもどんどん消えているそうだ。そんなに売れないのか。

偽メッコールを作るにあたり、本物がないと味の比較ができない。さてどうしようと悩む。
あ、そういえばちょっと前、横浜の中華街で飲んだ記憶が。

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パソコンの中を探して見つけた写真。

2006年の日付の写真だった。たしかに中華街でメッコールを飲んでいる。なんでこんな写真を撮ったのかは覚えていないが、メッコールでパソコン内検索したら出てきた。どうでもよい写真でも撮っておくとたまに役に立つものですね。

この写真の背景をもとに、中華街のどのあたりかを割り出し、現地に向かった。はたしてまだ在るのだろうか。……

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あった!
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ふつうの飲み物と混じって、たしかにそこにメッコールが。

写真に写っているお店の向かい、小さな路地を入ったところに自販機はあった。
早速買ってみた。

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デザイン変わってるやん!でも再会できた喜びは大きい。

 

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会いたかったよ

缶のデザインがリニューアルされている。でも馴染みのある250ml缶はなつかしい。500mlペットボトルとかになっていなくてよかった(あまり需要はないと思うが)。
大人買いし帰宅。あの独特の味は健在なのだろうか。「また会えたね」とささやき飲んでみた。

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見た目は色の薄いコーラ。
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大麦健康飲料ですよ。

 

さわやかになってる!?

あれ、こんな味だったっけ。もっとクセの強い味だったような。もしかするとデザインの一新とともに中身も少しリニューアルしたのか。

…しばらく味わってみたが、やはり来た、この不穏な後味。口の中が不自然に麦々してくる。とてもなつかしい。うまい、うまい、うまいぞー。

アルコール抜きの甘いビール、もしくは麦スナックをサイダーにした感じか。

一見爽やかなんだけど、どこか危険をはらんでいるという、間違い探しのような味だ。

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イメージ

 

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偽メッコールを作ろう

脳に味をインプットさせたところで、身近にあって味が再現できそう材料を集めてみた。フィーリングで。

■ [麦茶] + [サイダー]

まずは直感でこれだった。
あの独特な味はこんなシンプルなものではないと思うが、とりあえず麦といったら麦茶という安易な考えからスタートを切ることにする。

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濃いめに出した麦茶とサイダー。
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炭酸を重視すると色は本物より薄くなる。

 

やっぱり何か足りない

うすい。砂糖入り麦茶よりも存在感がない。メッコールとはほど遠くパンチがないが、それが逆に飲みやすく、夏にがぶ飲みできるタイプの作品となった。

ちょっとフヌケですが、夏に試してみて下さい。

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イメージ:店先に長い間貼られて日焼けした南国のポスター

 

■ [コーヒー] + [サイダー]

なんかこう、濃いコクというか、フックのきいた味が根底にある気がする。
そこでこのコンビはどうか。

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煮詰めたコーヒー。
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あ、色も濃くていいかんじ。

 

コーヒーですわ

まんまコーヒー味だ。新しいコーヒー飲料。
何か間違ってはいるんだけど、これはこれで商品としてもアリかもしれない。ポップな新感覚飲料として売り出されて、ひとシーズンでコンビニの棚から消える感じの。

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イメージ:これくらいの違和感

なかなかメッコールに近づけない。やっぱりメッコールはメッコールなんだろうか。そりゃそうだけども。

もう、あれを使うしかないな。

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■ [ビール] + [砂糖]

メッコールの味を誰かに説明するときはたいてい「アルコール抜きの甘いビールみたい」と言ってきた。その説明がはたして正解なのか、ここで試さずしていつ試すのだ。
そして確実に分かっていることは、ビールはそのまま飲んだほうが美味しいということだ。

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この記事書いたら飲もうと思ってた…
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ガムシロップを入れました。

 

甘いビールはまずいという事がわかりました

わかりきってはいるが大失敗だった。あまりに面白いので妹にビールと偽り飲ませたら「ヅドゥッ!」という文字では表しにくい発音のうめき声をあげていた。

意味不明かつどこか心配になる味。酒という事がそもそもの間違いだったようだ。

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イメージ:川にウミガメ。腑に落ちない

 

■ [ホッピー] + [コーヒー] + [砂糖]

ならばこれでどうだ、ホッピー。一応アルコールは0.8%程度入っているが、ブドウ糖なども含まれ、なんとなく清涼飲料ぽくもある。

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健康をアピールしている点もメッコールと近い。
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煮詰めたコーヒー再び。そろそろ胃がイガイガしてきました。
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ちょっと泡立っていいかんじ。

 

戦慄の苦味と麦味

誰これ考えたの、と思った。ホッピーの苦さとコーヒーの苦さが見事にタッグを組んでいる。一生分の苦さを蓄えた飲み物を今飲んでいる。この先もっと苦い経験もあろうになんでここで・・・と涙が出そうになった。

それにしても強烈に麦々している。なるほど、ホッピーは焼酎と割って飲むものなので、麦の味は濃いのか。ああ、なるほど。

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イメージ:麦畑に走る稲妻

 

■ [ローアルコールビール] + [コーヒー] + [サイダー]

そもそも手に入りやすい材料で作るのが主旨だった。ホッピーよりも買いやすい、ローアルコールビールでどうだ。そして、またサイダーの出番。きっと飲みやすさはサイダーが決め手なのだ。だんだん分かってきた。

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試行錯誤の末のメンバーはこれでした。
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色も泡もバランスいい。

 

おかしいけど、やさしい

サイダーを入れたことで苦みが薄まり、飲みやすい。やっぱりサイダーだったのだ。
調和しているかどうかは自信がないが、やさしく博愛な味だ。深い母性を感じた。慣れが必要なのは認めるけれど。

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イメージ:母性・博愛・異種混合

 

どれも似てないけどそんなにまずくもないです

なにかずいぶん遠くへ着陸してしまった気がする。新しい飲み物を発明する試みではなかったはずなのに。
ただ、メッコールのような個性のあるドリンクを生み出せたことは満足している。

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放浪しすぎた

 

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