届いたらマジヤバですけど…。
Stuxnetというスーパーワームのことを覚えてますか? なにものかが仕かけ、イランの核施設へと侵入したStuxnetは、中枢システムの破壊に成功。いまだその謎はベールに包まれたままということになってはいるものの、背後にイスラエルの関与が疑われています。時は流れましたが、いま再びイスラエルの企業が、そのスーパーインテリジェントな頭脳を駆使したハッキングで、世界を賑わしていますよね。
たとえば、すでにApple(アップル)は、イスラエルのNSO Groupなどを相手取り、許可なくiPhoneユーザーへの監視ならびに攻撃へ関与したとして訴訟を起こしました。政府や国家機関に向けて、NSO Groupは、特殊なスパイウェアツールを開発し、ジャーナリストや研究者、活動家などをターゲットにスパイ盗聴を進めたとされています。同じくNSO Groupは、WhatsAppユーザーに対する監視スパイツールを開発提供した疑いでも、Facebook/Metaから訴えられています。
このほどAppleは、すでにこうした国家的なスパイ活動のターゲットとして、ごく一部のiPhoneユーザーが脅威にさらされていることを想定し、その標的となったユーザーには危険を通知する方針を正式発表。国家支援型攻撃への対策の一環で、もしどこかの国や政府に、ユーザーのiPhoneなどが監視盗聴されている危険性が認められれば、ただちに対象ユーザーのApple IDとひもづけられたメールアドレスや電話番号へ警告メッセージが配信されます。また、appleid.apple.comにサインインすると、ページ上部に「Threat Notification」のアラートが表示されますよ!
早くもタイの活動家に対して、国家支援型攻撃にさらされていることを警告するメッセージが通知されたとの報道もあり、なんとも不穏な情勢です。なお、Appleは、今回の発表で「大半のユーザーは、こうした攻撃の標的になることはありません」と説明し、あくまでも特殊な状況下のユーザーに限られる脅威であり、不安を煽るためのものではないことも明らかにしました。実際、こんな警告が届いてしまったらどうすればよいの? それは心配でなりませんけど、少なくともAndroidユーザーにはないサービスでもあるので、Appleのセキュリティ意識の高さを、こうした面でも評価する声が高まりそうです。
Source: Apple