舛添氏 コロナ新薬の開発に期待 – 舛添要一

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全国の新型コロナウイルスの感染者が激減している。

人出は増えている。なぜ減ったのか、専門家も十分に説明できていない。

まずは、ワクチン接種効果が否定できない。10月22日現在で、全人口に占めるワクチン接種者の割合は、1回目が76.1%、2回目が68.6%である。10月24日現在で、接種完了者の比率を国際比較すると、日本は、スペイン、カナダ、中国、イタリア、韓国に次いで第6位であり、フランス、イギリス、ドイツ、アメリカを追い抜いている。

 今後は、若い世代への接種を加速化させねばならない。それに、ワクチンの効果が継続するのが約6ヶ月であるので、優先的に早期接種した医療関係者などは3回目の接種を始める必要がある。そして、順次このブースター接種を進めていかねばならないが、1、2回目の接種のときのような混乱は避けねばならない。

 季節的要因で、ウイルスが昨年のような動きをすれば、年末年始に第6波が来る可能性がある。そこで、必要なのは病床の確保である。岸田首相は、今夏の感染力の2倍の流行になった場合でも対応できるように、医療体制の整備を行うことを約束した。

 また、コロナ病床用の補助金を受け取りながら、実際には稼働していない「幽霊病床」の「見える化」を進めることにも言及した。このような努力によって、病床の8割以上の稼働を目指すとしている。

 ワクチン接種者は、感染しても重症化しにくいが、感染者の症状によっても病床の逼迫度は異なってくる。入院できずに自宅に放置され命を失うという悲劇を二度と繰り返してはならない。

期待されるのは新薬の開発である。これまでも、アビガン、イベルメクチン、カモスタットなど別の病気の治療薬剤をコロナ治療用に使用して効果が上がったケースが多数報告されているが、厚労省は推奨していない。

 アメリカの製薬大手メルクは、新薬「モルヌピラビル」の治験を進めており、既にFDAに緊急使用許可を申請しているが、11月30日には承認される可能性がある。承認されれば、世界初の経口治療薬となるが、この薬は重症化を阻止する効果を持つという。岸田首相も年内実用化を目指す旨の発言をしている。

 日本の塩野義製薬やスイスのロッシュ、またファイザーも経口治療薬の開発を進めており、年内ないしは来年初めには承認されることが期待されている。

 これらの経口治療薬の開発は、ゲームチェンジャーとなるもので、自宅での治療を可能にし、病床不足の問題を軽減する。インフルエンザに罹るとタミフルやリレンザを処方してもらって自宅で静養していれば回復する。そうなれば、コロナを過度に恐れることなく、経済活動を再開できる。

 10月25日には、感染防止上の様々な規制が解除される。皆で感染防止に注意しながら、少しずつ日常生活を取り戻していきたいものだ。

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