Google(グーグル)が秘密にしておきたかった数字がどんどん明らかに。
Googleの検索に関する独占禁止法の裁判で、GoogleがApple(アップル)に支払っている金額が、Safariの検索広告収益の36%にのぼることが明らかになりました。
実はこの数字、GoogleとAppleはあまり公にしたくなかったらしく、Googleの弁護士John Schmidtlein氏は、その数字が明かされた際に不快な表情を浮かべていたと報じられています。
先週、Googleは「収益分配率と同様に、こういった数字は現在契約中の財務条件の機密な部分です」と述べ、数字が世に出ることを嫌がっていました。
その額なんと2兆7200億円
Google CEOのサンダー・ピチャイ氏は、10月の証言で「Googleは検索において独占企業ではなく、単に競合他社よりも優れているだけ」だと述べています。
一方で、シカゴ大学の経済学教授であるKevin Murphy氏は、GoogleがAppleのデフォルトの検索エンジンでいるために、広告収益のおよそ3分の1をSafariに支払っていることを明らかにしました。
10月の裁判では、Googleが複数のスマホやブラウザのデフォルト検索エンジンになるために、2021年に260億ドル(約3兆9300億円)もの額を支払っていたことが明らかになり、そのうち約180億ドル(約2兆7200億円)がAppleに支払われたと報じられています。
味方の証言者がうっかり漏らした数字
Googleが先週法廷に提出した書類には、司法省はこの数字を公にすることを望んでいなかったことが記されています。Murphy氏は、Googleが数十億ドル規模のデフォルト検索契約を守るために呼ばれたのですが、数字をうっかり漏らしてしまったようです。Murphy教授は、これらの契約が検索業界における通常の競争行動であると主張しています。
ロイター通信によると、Murphy教授は「Googleが支払う料金は競争を反映している」と証言したとのことです。
GoogleとAppleが収益を共有していることは周知のことですが、どんな収益なのか詳細は明かされていませんでした。ピチャイ氏は、検索エンジンはユーザーに「シームレスで簡単な」体験の提供に努めており、それが莫大な支払いになっても構わないとの意向を証言しています。
今月公開された裁判の文書には、Googleが最も収益を上げる20のクエリが記載されており、「iPhone」、「自動車保険」、「Hulu」、「AARP」などが含まれていました。
削除してほしいうっかり証言
この裁判でGoogleは望んでいなかった多くの機密情報を明かすハメになっています。月曜日の提出書では、Googleは「うっかり口を滑らせてしまった機密情報がある」として、2人の幹部の証言を部分的に削除してほしいと要請しています。
その削除を希望している証言は、Googleのトラベルプロダクツ担当副社長であるRichard Holden氏と、Googleのグローバルパートナーシップ担当副社長であるAdrienne McCallister氏が11月7日に証言したもののようです。何を言ってしまったんでしょうね…?