こういう風景を探しています。
細い道を歩いていくと遠くの方に海が見えてくる。
そんな最高なシチュエーションを探しに行きました。
※この記事は「デイリーポータルZをはげます会」会員(有料)先行公開記事です。冒頭の一部を公開いたします。
「海へと続く道」を探して
細い道を歩いていると遠くに海が見えてくる。
それって最高のシチュエーションではないだろうか。僕は海のない町で育ったのでそういう景色にとにかく憧れがあった。
海へ行く、というのはとくべつなことなのだ。
女の子と一緒かもしれないし、一人で泣きながら歩いてかもしれない。子どもの手を引いているかもしれないし釣り竿を持っているかもしれない。
細くて長い一本道をてくてく歩いていると、遠くの方に海が見えてくる。海はできれば真っ青で穏やかだといいなと思う。
そういう「海へと続く道」をずっと探している。
例
僕が考える模範的な「海へと続く道」を例にあげて説明しよう。神奈川県にある一色海岸へと向かう道である。
この道は車やバイクでは入ってこられない。
細かい砂は歩きにくいが、この先に海があることを示唆している。
この辺りは住宅街なので静かだ。耳をすませば遠くに海の音が聞こえる。
しばらく歩くと、案の定、海が見えてくる。この道の場合、最後、海へのアプローチが階段になっているのもまたいい。
海に行く理由は海水浴でも花火大会を見にでも密漁でもなんでもいい。
いや密漁はいけない、勝手にハマグリとか捕っちゃだめだ。僕は釣りをしないので詳しくないのだけれど、釣りはよくてハマグリはダメ、というのはどういう理屈なんだろう。いやどうでもいいわそんな話は。
野球を見に行くときはユニフォーム着ていくだろう、ディズニーランドに行くときは耳のカチューシャ付けて京葉線まで歩く。つまりそこに至るまでの過程を楽しみたいのだ。海へ行く、という行為は「海へと続く道」からすでに始まっている。
いい「海へと続く道」ご紹介
とはいえいざ探してみると、深みと品位を兼ね備えたちょうどいい「海へと続く道」というのはなかなか見つからないものである。
観光地の海水浴場なんかだとビーチぎりぎりまで駐車場が整備されていて、1000円払って車停めたらすぐ海ですよ~どうぞ~!みたいな利便性重視の場所が多いわけだが、そんなのはもういい。
僕がこれまで撮りだめてきた良い作品をいくつか紹介したい。この気持ちをわかってほしくてたまらないからである。
登り坂パターン
まずは坂道をのぼっていくと海が見えてくるパターン。
このパターンはレアなので見つけたらその足で近くの不動産屋さんに行って空いてる物件を探して引っ越してしまっていいと思う。
そうでしょういいでしょう。どんどん行きますよ。
平面パターン
次は坂ではなく平面パターン。
この場合最初から遠くに海が見えちゃってるから登り坂パターンに比べると期待感の高まりは少ないかもしれない。
下り坂パターン
次は下り坂の先に海が見えるパターン。
これはわりと数が多いので出会う確率も高いのだが、その分理想に近いものにはなかなか出会えた試しがない。
海へと続く道のなにがそんなにいいのか、考えてみた。
まずは観光地化されすぎていない静かな海の近くに住んでいる気分になれること。海の家が立ち並んでサンオイルのにおいが充満しているようなビーチも楽しいけれど、もうちょっとこう趣があってほしいのだ。
それから、歩いていくと道の向こうに海が見えてくる、というストーリー性もいい。ない映画のワンシーンに入り込んじゃったみたいな感覚になる。
番外編
番外編として、トンネルパターンを紹介したい。トンネルを抜けると海が見えるパターンだ。
このパターンはドラマチックではあるが、いかんせんトンネルなので危なくてじっくり眺めていられないのが残念だ。
最高の「海へと続く道」を求めて
最後に僕がこれまでに見た中で最高レベルの「海へと続く道」を紹介したい。
それがこれだ。
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