ローマは一日にして成らず。ローマ帝国が700年という長い年月とともに発展したように、どんなに巨大な組織であっても 元をたどれは小さな店から始まっていたりする。
デカすぎる軽食やかき氷の王者として当サイトでもお馴染みのコメダ珈琲店も例外じゃない。そう感じたのは、コメダ珈琲店 高岳店へ訪れた時のこと。実はこの高岳店、すべての店舗の中で一番古いコメダ珈琲店なのである。
先に結論をお伝えしておくと、マジで最高のお店でした。古き良き昭和の喫茶店の空気を味わいたい方は全員集合だぁ~~っ!!!!
・古き良き昭和テイスト
コメダ珈琲店 高岳店は昭和42年(1967年)、フランチャイズ2号店として名古屋市東区に誕生した。
1号店(菊井店)が2014年に閉店&本店が2022年に改装されたため、2023年現在は一番古いコメダ珈琲店として知られている。
コメダの店舗と言えばレンガとオレンジ色の壁がお決まりだが、「今まで見てきたコメダとは全然違うな」というのが店の前に立った時の第一印象だ。
看板にはたしかに「コメダ珈琲店」と書いてあるけど、なんというべきか。年季の入り方や雰囲気が チェーン店っていうよりも個人経営の喫茶店っぽいのだ。
店内にはラジオが流れ、調度品はウッディなテイストで落ち着いた雰囲気。カウンター3席とテーブル6台だけのこじんまりとした店である。
すぐにオーナー夫婦がこう言いながら迎えてくれた。
オーナー「いらっしゃいませ。全席喫煙なんですけど、大丈夫ですか? タバコが苦手な方と未成年の方はご遠慮いただいているんです」
言われてみれば店内はタバコっぽい香りがする。
個人的にはそれもまた店の味。特に気にすることでもなかったため席へと案内してもらった。
おや、テーブルは懐かしの麻雀ゲームだ。
現代っ子はビックリするかもしれないが、昔の喫茶店では天板にモニター(もちろんブラウン管)が埋め込まれ、席の両側にアナログボタンが付いたテーブルゲーム機がおなじみだったのだ。
入店からここまで僅か1分足らず。あっという間に古き良き喫茶店の雰囲気の虜(とりこ)となり、すっかり高岳店のファンになっていた。
・オリジナルメニューもあるんです!
注文しようとメニューを探して驚いた。いつもの冊子が見当たらず、代わりに筒型のメニューが置いてあったのだ。
飲み物のメニューはA4サイズの用紙で、丸めて筒に差し込まれていた。
メニュー数が少ないようだが、ザッと見る限りでは通常のコメダと同じようなメニューが並んでいるようだ。
そう思ったとき、メニューの上にちょこんと貼られたピンクの付箋が気になった。
「チリドッグ有ります」
あ、これにしよう。……そんな感じで直感的に決めたのだが、後ほど調べたところ チリドッグは2022年のメニュー改定にて既に販売終了した商品なのだそう。
もう一度コメダのチリドッグが食べたい方は、是非 高岳店へどうぞ。
そして気になったのがデザートのメニュー。
オーナー夫婦曰く「プリンソフトとフルーツソフトはうちだけのオリジナルメニューです」とのこと。そりゃ頼まない手はないぜ!!
──さて、そんなこんなでオーダーしたのはご覧の通り。
チリドッグ(税込480円)、アイスオーレ(税込400円)
フルーツソフト(税込700円)
総じていい意味でコメダっぽくない。特に驚いたのは、豆菓子じゃなくておかきが付いてきたこと。
おばあちゃんの家で見たことがある感じのおかき。お口直しにピッタリでした。
チリドッグはウインナーがアツアツ、パンがフカフカで美味しかったし、冷たいアイスオーレは汗だくの体を心地よく冷やしてくれた。
フルーツソフトにはバナナが丸ごと1本分も入っているほどに果物がたっぷりで、食べ応えはバツグンだ。
新しい店と雰囲気が違ってもやっぱりコメダ。美味しさとビッグサイズ感は共通なのであった。
・オールドコメダの魅力
記事を書くにあたって初めて知ったのだが、コメダ珈琲店のフランチャイズ10号店まではファンの間で「オールドコメダ」と呼ばれているのだそう。
昔ながらの純喫茶の心地よさとコメダ珈琲店の安定感、両方を兼ね備えているのだから、オールドコメダが人気を集めているのにも深くうなずける。
残念ながら2023年現在では、営業中のオールドコメダは高岳店と今池店の2店舗のみ。(ただし、今池店は既にフランチャイズを脱退している元・コメダ珈琲店)
コメダの「聖地」とも言える貴重なお店なので、名古屋を観光する際は必ず訪問してほしい!
参考リンク:コメダ珈琲店 高岳店
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.