iPodの発明者であるトニー・ファデルがAsk Me Anything(○○だけど質問ある?)を実施

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Appleが販売する携帯型音楽プレーヤー「iPod」の開発を主導して、初期のiPhoneの開発にも取り組み、後にテクノロジー企業のNestを創業したコンピューター技術者のトニー・ファデル氏が、オンライン掲示板サイトのRedditで「Ask Me Anything(トニー・ファデルだけど質問ある?)」を実施しました。Redditユーザーから「iPodは今後どうなる?」「スティーブ・ジョブズから学んだことは?」などの質問が投げかけられています。

I’m Tony Fadell, inventor of iPod, iPhone, and Nest. Ask me anything! https://imgur.com/a/w8l9jun : r/technology
https://www.reddit.com/r/technology/comments/13i7j5b/im_tony_fadell_inventor_of_ipod_iphone_and_nest/


ファデル氏は最初に「私はエンジニアであり、デザイナーであり、投資家であり、指導者であり、そして今は著述家です。私が学んだ最も重要な教訓は、著書「Build:価値あるものを作るための型破りなガイド」にまとめています。この本の1周年を記念して、皆さんとAMA(Ask Me Anything)を開催します。もし私が何か素晴らしいものを解き放ったり、誰かを正しい方向に導いたりすることができたら、それは私にとって純粋な幸せです。さっそく始めましょう!何でも聞いてください」と自己紹介しました。

Q:
iPodについてですが、スマートフォンをはじめとする現在の携帯端末と比べてどう思われますか?専用のデバイスを作る余地はまだあると思いますか?

A:
絶対に、専用機の余地はあると思います。私たちは自由な音楽体験を望んでいますし、雑念や誘惑に負けず、音楽を吸収できるデバイスが欲しいと考えているのです。

Q:
私はデザイナーとして次世代の音声アシスタントを構想しています。AIアシスタントと人間性の融合について、どのようなビジョンをお持ちですか?AIは私たちを助けてより良いものにしてくれると思いますか?

A:
AIはツールだと思います。人間は、これまで何世代もやってきたように、道具と共に進化していく必要があります。AIのエージェントを雇うときは、その背後に何があるのかを正しく知るべきです。人間と同じように、履歴書の内容を知る必要があります。どこの学校に行ったのか、どこに住んでいるのか、悪いことをしたことがあるのか、とかね。その場合、AIの履歴書は人間のものよりも透明性が高いものであるべきです。

Q:
ソーシャルメディア/ネットワーク/アプリの未来はどうなると思いますか?

A:
「本人確認」が重要視されると思います。みんな誰と話しているのかを知りたいんです。間違いなく本人確認が主流になります。


Q:
ARヘッドセットの登場は業界を変え、最終的にはスマートフォンやノートパソコンといったものに置き換わることになると思いますか?それとも、現在使っているものにプラスして、今後も両方を使い続けることになると思いますか?

A:
共存していくでしょう。ノートパソコンがデスクトップやスマートフォンに取って代わらなかったのと同じように、これらはすべて共存していくのです。

Q:
製品をリリースするタイミングを見極める方法はあるのでしょうか?例えば、2~5年後に必要とされる製品を発売するのか、それとも今まさに必要とされている製品を発売すればいいのか。ほとんどのスタートアップ企業が失敗しているのは、製品をリリースするタイミングが適切ではないからだと考えているのですが。

A:
少しだけ早い方がいいです。早すぎるのは良くありません。iPodは完璧なタイミングでした。製品は市場シェアではなく、マインドシェアを先導する存在であってほしいですね。


Q:
スティーブ・ジョブズは大きなiPhoneを嫌っていましたが、あなたは大きなiPhoneについてどう思いますか?

A:
2009年、市場がより大きなiPhoneを求めていることは明らかで、Appleはそれに合わせて調整しました。スティーブがそのような顧客の要望を無視したとは思えません。

Q:
スティーブから学んだ最大の教訓は?

A:
いつノーと言うべきか、です。ノーと言えば言うほど、イエスはより強力なものになります。


Q:
過去を振り返ってみて、「iPhoneの開発中にもっと違うことをしておけば」と思うことはありますか?

A:
いいえ、ありません。最初のiPhoneを実現するために必要なことはすべてやったと思います。

Q:
iPhoneの開発過程で、チーム内での議論や意見の相違はありましたか?

A:
一番大きなものはハードウェアキーボードだと思います。ハードウェアキーボードと仮想キーボードのどちらを搭載すべきか(どちらが勝ったのかは明白です)、スクリーンはプラスチックかガラスか、などが争点でした。

by David Geller

Q:
失敗して得た最大の教訓とはなんですか?

A:
失敗を乗り越えて、自分が何を学んだかを確かめることです。失敗するのは、立ち止まってから「学ばない」という選択をしたときだけです。進み続け、失敗から学ばなければなりません。変わらなければならないかもしれませんが、とにかく進み続けなければなりません。人が持つ最大の限界は自分自身なのです。

Q:
次にイノベーションが起こると思うビジネスの分野は何でしょうか?ビジネスや製品を作ろうとするとき、人々はいつも難しく、複雑なことを考えていると思います。

A:
2番目の文章に同意します。お金を追いかけるのではなく、自らの好奇心がくすぐられる分野を追いかけましょう。あらゆるビジネスがAIのようなデジタル技術で変容しています。自分の好奇心があるところ、改善したいところに行きましょう。

Q:
共同創業者を解雇しようと考えています。書類はすべて完成しましたが、最後に相手と実際に話をする際のアドバイスはありますか?

A:
まず、最終的な話し合いをする前に何ヶ月も話をしておくべきでしょう。最終的な決定を下さずとも、会話をする方法は複数あるはずです。あなたと対象者だけでなく、株主や投資家などの他の人々を交えて行うのもいいです。解雇という作業は難しく、時間がかかります。4ヶ月以上の議論になります。この数字を聞いて驚くのであれば、あなたの考えに問題があります。


Q:
業界のゲームチェンジャーとして活躍してきたトニー、次はどうしますか?まだ世の中に存在しないものを見てみたいですか?

A:
ちょうど「Ledger STAX(仮想通貨等を管理する携帯端末)」の開発を終えたところです。最近の私の主な焦点は、気候変動です。


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