二つの記事が、PRESIDENT・Online、およびそこからYahoo!newsに転載されて掲載された。
拙著『安倍さんはなぜリベラルに憎まれたのか』(ワニブックス)から、編集部で自由に選んで編集抜粋されたものだが、本全体のなかで、この二カ所を選ばれたことも慧眼だし、タイトルの付け方も含めた編集も適切で、たいへん関心したし、よく読まれているようだ。おかげさまで本の売れ行きにも反映されていてありがたいこどだ。
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国葬も無事すんだが、反対派の妨害の卑劣さは、まさに地獄というものがあれば、そこに落とすに値する。
たとえば、小林よしのり氏、2万人超訪問の一般献花に私見「統一教会の動員で十分集まる」などの記事は、純粋な気持ちで長い列をつくった人たちにあまりにも失礼だろう。
献花など、スムーズにできるような会場などを選び、あるいは全国に献花台をつくったら何十万人でも集まっただろう。
また、集まった各国からの弔問団の顔ぶれについて予想外にレベルが低いとか揶揄する向きもあるが、現役の指導者でないので、こんなものだ。イギリスのサッチャー元首相の葬儀も、準国葬というような位置づけで行われ、エリザベス女王も異例の出席もされたが、それでも、当時の報道によれば、米国のチェイニー前副大統領、キッシンジャー元国務長官、日本の森喜朗元首相など元職が主だった。
両陛下の参列については、親戚の葬儀にもしないというのが、慣例だからされないのが慣習だから不在は不自然で無かったが、外国君主の葬儀は、ベルギーのボードワン国王のときに慣習を破られ、それが、前例になって今回のエリザベス女王の葬儀にも皇后陛下の健康が心配されたが参列を強行されたのだから、今回、前例を破られてもよかったのでないかという気もするが、まあ、妨害行動があるなかではやむをえない。
ただ、NHKが「葬儀委員長の岸田内閣総理大臣をはじめ三権の長や各国代表など・・・」と出席者を報じて、秋篠宮皇嗣殿下ご夫妻など皇族を省いたのは、これは酷いのではないか。私は「不敬」などという言葉を使うのは嫌いだが、これはやはり不敬そのものだし、なにか政治的意図があるのでないかと疑う。
また、葬儀中継の番組のなかで国葬問題を扱うのは不適切だ。それは、別の報道番組でやるべきだ。戦没者慰霊式の中継だってなんだってそんなことするまい。
また、サッチャー首相の葬儀の際、私はBBCの報道は注意深くみていたが、政策への賛否両論は扱ってはいたが、さらっと冷静に批判にもふれるといった感じで、死者への憎しみをかき立てるようなトーンはなかった。これは両国のジャーナリズムの文明水準の差だ。
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ところで、私のFacebookタイムラインで「本物の名相なら国論を二分するような不謹慎なことは起こり得ない!」とコメントを書いた方がいて第三者も交えて議論を展開したが、そのうち、私のコメントを紹介する。
○○さんがいう名宰相とは勇気を持って仕事をすることを避けた人らしいですが、歴史に残る名宰相は猛反対が出るような大事業をした人ばかりで安倍さんはそれに値します。
国論が二分されたのは安倍さんが命懸けで違う政治家だったからです。マスコミにたたかれたくない、命が惜しいからテロリストが現れるようなことは言わないやらない。そう云う政治家ばかりだったから日本は一世代でその前の世代が獲得したものを全て失った。それを取り戻すために命を賭けたのが安倍晋三と言う21世紀初頭の世界で世界一のせいじかだったのです。この分断も世界からの一致した賞賛もどちらも偉大な政治家の勲章でそんなものはひとつもないし、日本をこの40年ダメにしてきた宿痾をそのままにしたい高齢者に嫌がられることはいいことです。
(決してポピュリズムは避けるべきだが民意に沿わないろくでも無い法案を次々に強行したに過ぎない!というコメントに対して)多数決で採択したものが正しいとは限らないし、だから小林さんが良くないとおっしゃるのはかまわないと書きました。ただ多数決で決めたことを民意に反すると言うのは民主主義への挑戦です。
○○さんは、民主主義を否定されてるわけです。安倍総理は六回の国政選挙で公約を立て、あるいは追認を求めすべて圧倒的な勝利をおさめました。もちろんそれであっても反対するのは自由ですが、民意に沿わないというのは○○さんの気に入らないものを民意に沿わないと嘘言ってるだけ。