Googleのメールサービス「Gmail」では、迷惑メールや不審なメールを自動的に判断して、通常の受信フォルダとは別の「迷惑メールフォルダ」に自動振り分けしていますが、ショッピングサイトなどから送られた重要なメールがスパム扱いされてしまったり、寄付金を募るキャンペーンメールをGoogleがスパム扱いしていると議員らが抗議したりと、トラブルも発生しています。Googleは政党からの圧力を受け、政治キャンペーンを含むメールが迷惑メールフォルダに送られないようにする試験プログラムを開始すると、ニュースサイトのAxiosが報じています。
Exclusive: Gmail launches pilot to keep campaign emails out of spam
https://www.axios.com/2022/09/19/gmail-pilot-campaign-email-spam
Googleは2022年6月、アメリカ共和党のキャンペーンメールを不当に高い割合で「スパム」と認定しているとの調査結果を受け、特定の政治組織から発信されたメールをスパムと認定しない特例措置を設けたと報じられました。その後、Googleは「共和党からのメールはスパム認定されやすい」という研究に対し「我々は政治的所属に基づいて電子メールをフィルタリングすることはありません」と異議を唱えていましたが、「Googleは保守派からの圧力に屈する結果となりました」とAxiosは述べています。
Googleが政治組織から発信されたメールを自動スパム検出から外す「特例措置」を設けたという報道 – GIGAZINE
Googleの広報担当者であるホセ・カスタネダ氏は「右派・左派両当事者からの少数のキャンペーンで、迷惑メールフィルターの試験を開始する予定です。迷惑メールフィルターの変更がユーザーエクスペリエンスを改善するかどうかをテストし、選挙期間中に送信者がより確実性を得られるようにします」とAxiosに対し語っています。
カスタネダ氏によると、Gmailはメッセージ中のフィッシングやマルウェアについてスキャンし続ける一方で、試験プログラムに登録した政治キャンペーンは、Googleの標準形式のスパム検出に影響されなくなります。キャンペーンメールを受け取ったユーザーは、メッセージを引き続き表示するか、購読を解除するか、スパムとして報告するかを尋ねるバナーによって、キャンペーンメールについての扱いを選択できます。カスタネダ氏は「試験プログラムが進行するにつれて、フィードバックに耳を傾け、対応していきます。試験期間中、ユーザーは目立つ登録解除ボタンを使用して制御できます」と説明しました。
政治的なキャンペーンメールをスパムから外すGoogleの試験プログラムは、連邦選挙委員会の承認を得た後、9月末から開始する予定です。
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