Microsoft(マイクロソフト)のAIであるCopilotとWordやExcelといったOfficeアプリケーションを連携して使えるのが、Microsoft 365 Copilotです。
各アプリでサイドパネルに表示されるCopilotのチャット画面から会話をするだけで、作業をサポートしてくれるというもの。Wordでは文章、Excelでは計算、PowerPointではスライド、とそれぞれ作成したり編集したりといったことを行なえます。
実際にWord、Excel、OneNoteで使ってみたのでそれぞれのCopilot機能を紹介します。
なお今のCopilot機能はクラウドのAIで処理していますが、近い将来AI PCの力でローカル処理でき、機密性の高いデータも頼めるようになります。
そんな未来も見越しつつ、今回はインテル® Core™ Ultraプロセッサー搭載のAI PC「HP OmniBook Ultra Flip 14」を使用しました。
Wordで文章を作成
Wordではドキュメントの新規作成や編集、要約といった作業をCopilotを通して行なえます。
Wordではドキュメントの新規作成をして、AltキーとIキーを押すことで上記のようなCopilotへの入力バーが表示されます。「ホーム」のリボンメニューからCopilotアイコンをクリックすることで表示されるサイドパネルからも入力ができます。
あとはここに作成したいドキュメントについての内容を入力すれば、それに適した形式ですぐに文章を作成してくれます。
今回は「HP OmniBook Ultra Flip 14」を使ってCopilot+ PCやAI PCについて調べたかったので、「Copilot+ PCについての記事を書きたい」とお願いしてみます。
すると、タイトル、見出し、段落、結論もつけながらCopilot+ PCについての記事をすぐに作成してくれました。約1,500文字のボリュームの文章をすぐに作成したので、最初に試したときは驚きました。
さらに、Copilotは既存のWordドキュメントの編集にも役立ちます。自分で作成した文章の文法チェックや校正・推敲といった作業も行なえるのです。また、既存のドキュメントの内容を簡潔にまとめる要約文の作成も可能です。
Copilotの文章作成は非常に便利ですが、注意すべき点としては文章はインターネット上から集めた情報がベースとなるので、そのまま使用すべきではないという点です。
今回作成した文章もたしかに内容や文法もクオリティの高いものでしたが、そのまま記事にはできません。とはいえ、全体の構成をまとめてくれる、文章の雛型を作成してくれる、という点は非常にすばらしい機能だと感じました。
OneNoteでメモをまとめる
次は、同じくテキスト系のアプリであるOneNoteです。こちらもメモの新規作成や編集、要約といった機能をCopilotがしてくれます。
ポイントとしては、OneNoteは基本はメモアプリなので、Wordのように新たに(ちゃんとした)文章を作成するというよりは、自分で書いたメモを編集したり、リストを作成したりといった作業のほうが向いてると思います。
今回は実際に既存のメモを使ってOneNoteでのCopilot機能を試してみました。
今回は映画を観たときの感想メモを使います。メモの最初に簡単な概要を書き、その後実際に気になるシーンやストーリーについて描いています。
このメモは、動画のストリーミングを観ている最中に書いた部分もあったりして、内容は走り書きでかなり乱雑な感じになっています。
さて、Copilotにこのメモを「要約して」と入力すると、内容から重要な部分を整理して要約文としてひとまとまりの文章を作成してくれました。
この要約は思った以上に優秀で、元のメモにある概要の内容をベースに、サッと書いたテキストをうまくまとめてくれてわかりやすくなっていました。実際このメモ自体が少し前のものだったので、要約文を見返したときに内容がちゃんとわかるようになっていて単純に「Copilot頭いいなあ」と思いましたね。
ついでにリストの作成も「2025年公開予定の映画」というものを作ってもらいました。
こちらもインターネット上から集めた情報である点は注意が必要ですが、自分のメモとして残す分には十分な情報だと思いますし、テキストもまとめられていて見やすいのも嬉しいです。
今回は映画の感想メモを例として使いましたが、たとえば会議でメモした内容やアイデアのノートといったものでも活用できると思いますし、メモをまとめるという作業は存外面倒くさいものなので代わりにやってくれるというのは素晴らしいと感じました。
Excelでグラフ作成
最後はExcelです。Excelでは、機能の軸となる表計算が可能です。さらにグラフの作成も簡単にできるのが素晴らしい点です。
今回はFitbitで収集したアクティビティデータを使ってみました。
FitbitからデータをエクスポートしてExcelで開いてみたのですが、こうしたデータというの生のデータといいますか、本当に「数値を出した」というもので表自体も整っていません。仕事などでもデータを出力するとcsvで生のデータが出てくるといったことがありますが、ちょっと似ていますね。
これは睡眠についてのデータですが、たとえばここから約1年間の睡眠時間を計算したり、グラフを作成してみたいと思います。
これまでと同様、リボンメニューからCopilotをクリックすると出てくるサイドパネルから入力します。
たとえば睡眠時間の平均値を出してほしいとお願いすると、
このようにすぐに数値を計算してくれます。5時間台だったという数値にはちょっとテンションが落ちましたが。
さらにこのデータを元にグラフの作成をお願いしてみると、
このようにグラフを作成してくれます。ついでに新しいシートに追加してみます。
ここまでの作業はほんの数分でできました。
実際複雑な関数も使っていませんし、データの量も多くはありませんが、それでも手を動かして作るよりもずっと速いのは間違いないですね。
さらにExcelでは計算がメインになることを考えるとAIとしても得意分野なのか、より速いレスポンスに感じました。個人的に、特に関数を使ったり、計算にまつわることが苦手な人間なので余計にありがたいですね。
日常的な作業のサポートはありがたい
Microsoft 365 CopilotではほかにもOfficeアプリのメインのひとつであるPowerPointでプレゼンテーションを作成するといったこともできます。
今回は特に優秀と思えた機能に焦点を当てましたが、それぞれに共通するのはやはりCopilotがすべてを行なうわけではない、ということです。
現在のCopilotとOfficeアプリの連携では、ベースはユーザーが行ない、AIがそのサポートとして文章やグラフを作成したり、調整してくれる、というものです。ここは留意が必要ですが、非常に便利であることは間違いないです。
文章の雛型を作ったり、とりあえずメモしたことをまとめてくれたり、データを見て計算をしてくれたり、と日常的に行なうことが多い作業に対して、簡単なやりとりで実行できるのはありがたいと思いました。