「コロナでIQ低下」って実際どれくらいなの？

トランプ当選でCOVID-19のカオスな記憶が蘇る今日この頃ですが…。

コロナ後遺症の脳への影響をまとめた記事が久々にRedditで話題になっていました。

まとめたのは、コロナ後遺症を｢ロングコビット｣という通称が生まれる前からフォローしてきたセントルイス・ワシントン大のZiyad Al-Aly医学博士。ロングコビットの専門家として米上院で証言したこともある人です。

これまでに判明しているコロナ後遺症の事実
1. 共有:
2. 関連

これまでに判明しているコロナ後遺症の事実

もちろん認知機能の低下は年齢的なものもあればストレスや社会的要因によるものもあるので、全部が全部コロナが犯人と断定はできませんが、感染歴のある人とない人を比べると無視できない差異があることもまた事実。1回目の感染では軽症だったから次も大丈夫…とは限らないのが厄介なところです。

記事では、これまでにわかっている事実がこんな風にまとまっています。

・感染経験者のほうが未経験者より記憶力やタスク遂行力の低下は著しい。これはパンデミック初期のみならずデルタ株やオミクロン株が猛威をふるった段階で感染した人たちにも見られる傾向。つまり株の変異が進んでも認知機能低下リスクは弱まっていないということになる。

・大規模な疫学的解析では、COVID-19感染歴のある人に記憶障害などの認知機能の著しい低下が見られることがわかっている。

・画像解析で感染前後を比べると、脳の体積が縮んで脳が構造的に変化していた。

・軽症・中等症のCOVID-19感染者を調べてみたところ、長期に渡る重度の脳の炎症と、脳の7年老化に相当する変化が確認された。

・入院・集中治療を要する重症のCOVID-19感染者の場合は認知機能の低下などの脳機能障害にいたる恐れもあり、これは脳の20年老化に相当する。

・人体とマウスの脳のオルガノイド（人の脳の変化をシミュレートするようデザインされたもの）を用いた実験では、SARS-CoV-2感染により脳細胞の融合がトリガーされていた。これにより脳内電子回路がショートして機能障害が起こっているっぽい。

・重症感染から何か月か経ってから別の死因で亡くなった人の体を解剖してみたところ、ウイルスがまだ脳細胞に残留していた。呼吸器系を意味する“SARS-CoV-2”という名だが、人によっては呼吸器系のみならず脳にもウイルスとが侵入することを示すエビデンス。しかし脳にウイルスが残っていることが一部の患者に脳機能障害が起こる要因かどうかはまだ不明。

・ウイルス感染が軽度で肺のみに封じ込められている場合でも、脳に炎症が起こり、脳細胞の再生力を損なう場合もある。これは複数の調査で明らかになったもの。

・COVID-19で血液脳関門（人体をコントロールして命令を下す司令塔の神経系を守る盾）が破られて“リーク”することもあり、画像を用いたCOVID-19入院経験者の調査ではブレインフォグ（頭にモヤがかかったようになる症状）経験者の脳に血液脳関門の損壊やリークが確認されている。

・感染により60歳以上の人が新たに認知症を発症するリスクは高まる。これはCOVID-19感染者100万人近くと非感染者600万人以上を対象とする11の調査データを統合した大規模な分析で明らかになったもの。