TECH INSIDER 2024年7月11日掲載の記事より転載
・アップルの元デザインチーフだったジョナサン・アイブが、クリエイティブパートナーのスティーブ・ジョブズとの日々を回想した。
・1997年に出会った2人はすぐに意気投合したとアイブは語っている。
・2011年にジョブズが亡くなるまで、2人は親密な関係であり続けたという。
アップル(Apple)の元デザイン責任者、ジョナサン・アイブ(Jonathan Ive)はアップルで数十年を過ごしたが、彼の最良の時代は同社の共同創業者である故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)と過ごした日々だったと語った。
アイブはポッドキャスト「ライフ・イン・セブン・ソングス(Life in Seven Songs)」でインタビューに応じ、iPhone、iPad、AirPods、Macbookの外観と操作性を担当したアップルの在職期間に至るまでの彼の生い立ちがどのように自身のクリエイティブマインドを形成したかについて語った。
アイブはジョブズがアップルから離れていた1992年に入社したが、5年後ようやくに2人が出会った時に、創造力のひらめきがすぐに生まれたとアイブは話している。
「スティーブが戻ってくるまでの間、私は多くのことを学んだ。その時点では、自分が何を学んでいるのかはっきりしていなかった。ただ苦痛でしかなかった」と、アイブは2024年7月2日に公開されたこのポッドキャストのインタビューの中でこう語っている。
しかし、アイブによると、その「非常に困難な時期」は、彼が今日のように有名なデザイナーになるために必要なものだったという。
「それは我々2人が持っていた感情だと思う。まさに驚くようなひらめきが生まれた」と同氏は述べた。
アイブは、1997年から2011年までアップルでジョブズとともに働いた期間を、「私の人生の中で最も楽しく、並外れた15年間」だったと語った。ジョブズ不在の最初の数年間とは異なり、ジョブズが同社の指揮を執るようになったことで、彼のアップルでの学びはより明確になり、「何を作っているのか」に集中できるようになったという。
「彼はアイデアやチャンスに対する非常に複雑な感情や認識をほとんど考えることなく、しかも楽々と表現できる人物だった」とアイブはジョブズについて語った。
ジョブズは2011年にCEOを退任し、その後、同年に死去した。アイブはジョブズの死を「非常に大きな損失」と表現した。アイブは2019年までアップルに在籍し、自身のデザイン会社を設立するために退社した。
「創作についての考え方、文化や人々、社会の重要性に対する考え方を体現していた人物を失ったと感じた」とアイブは話した。
それでも、彼はジョブズと一緒に過ごした時間を大切にしていると語っている。
「彼、そして彼を失ったことを意識しない日はない。一緒に過ごした時間、私が学んだこと、我々が発見したことに感謝しない日はない」と彼は話している。
Photo: Kimberly White/Getty; Seth Wenig/Reuters; Shayanne Gal/Business Insider