酷評の嵐の「Humane AI Pin」、実際マジで売れてないらしい。
初年度は約10万個の出荷を目指していましたが、実際に売れたのは1万個。さらに返品されまくっているとか。
The Vergeによると、「Humane AI Pin」は、売れた数より返品の方が多くなっているとのこと…。6月には約8,000台が売れていたはずが、その後返品数が増え、現在は7,000台が購入者の手元に残っている状態です。
当初は10万人のはずが、「Humane AI Pin」のユーザー数、現在は7,000人と考えると、渋い、渋すぎる。
Humane AI Pinとは
そもそも「Humane AI Pin」とは何かというと、元Apple(アップル)社員が手掛けた、スマートフォンにとって代わるAIウェアラブルデバイス、服にクリップで止められる小さなレーザープロジェクターです。「人間とコンピューティングの関わりを変革する」などと、かなり期待を持たせて満を持して発売したわけですが、結果バグが多すぎる、遅すぎる、さらにバッテリー持ちが短すぎると酷評の嵐。
あげく、AI Pinの価格は699ドル(日本円だと10万円前後)、そして月額24ドル(日本円で約3,500円)T-Mobileのデータ無制限プラン(クラウド容量つき)の加入費用が必要です。初期費用も高い、ランニングコストもかかるなど、返品したくもなるよね、という要素てんこ盛りでした。
AIを製品にするのは前途多難
こんな悲惨な未来が見えているにも関わらず、Humane社はこのプロダクトと企業価値を過大評価しているのか(もしくはされているのか)、2億ドル(約293億円)の資金調達をした上に、5月には、最大10億ドル(約1500億円)で売却先を探していたとも報じられています。
「第二の脳」として機能するはずだった画期的なガジェットでしたが、失敗しました。Rabbit R1も同じ道を辿りそうです。AIを製品にするにはまだ大きなハードルがあるように感じます。YouTuberの Brownleeが語っているように、現時点ではAIを製品として売り出すのではなく、AIは機能のひとつとして活用しつづけるほうがいいのかもしれません。