晴れていたのに突然雨が降ってきたりと、なかなか天気が読みづらい梅雨の終わりごろ。
ランニングの途中で大雨に見舞われ、シューズも靴下もぐっしょり…なんてことが何回かあると、そのたびにシューズをきれいにするのに心底うんざりしますし、せっかくの楽しいランニングが台無しになります。
いっそ、雨の中でも濡れることを気にせずランニングを楽しめるシューズがあったらいいのに。
そんな頼もしいシューズはないものかと探したところ、スポーツブランド「On(オン)」から2024年4月18日に発売された「Cloudrunner 2 Waterproof」にたどり着きました。
なんでも通常の「Cloudrunner 2」の防水バージョンで、雨天や濡れた路面でのランニングにも対応できる機能性を備えているとのこと。2週間ほど試してみたところ、
- 外側が濡れても内側に浸透しない
- 雨天でも滑りにくい
- ほどよいクッション性と前足部のロッカー形状が安定した走りをサポート
- デザイン性が高く、普段使いにもおすすめ
このようなメリットを感じました。
ただでさえ習慣化するのが難しいランニング。そこへ「雨が降ってるから…」とか「水たまりが…」とか天気を言い訳にサボりがちな筆者ではありましたが、Cloudrunner 2 Waterproofのおかげでサボる理由が減りました。
On Cloudrunner 2 Waterproof(新世代モデル)
ロード向け防水ランニングシューズ
価格:20,680円(税込)
カラー:メンズ、ウィメンズともにMagnet | Black(写真)とOlive | Mahoganyの2色
サイズ:メンズ 25.0cm – 32.0cm、ウィメンズ 22.0cm – 28.0cmのハーフサイズ展開
フィット:ほぼ表記どおりのサイズ感
雨も泥水も弾いて流す
Cloudrunner 2 Waterproofを履いていれば、ほんとうに濡れないのか?
まずはその防水性を検証するために、思い切って小川に浸かってみました。
スイスで設計されたというメッシュアッパーが、水を弾いては流し、流しては弾きます。靴用の防水スプレーなどは一切使っていない状態で、この撥水性。シューズの上に水が留まることがなく、シューズの中まで水が浸透してきません。
ゆうに5分は川の水に浸ったままだったのですが、そのまま帰宅してシューズを脱いでみると靴下は濡れておらず、さらりとしたままでした。
雨天のランニングでも高い防水性を発揮してくれました。メッシュアッパーが水を弾いてくれるおかげで、ランニング中にシューズが吸水して重たくなることがなく、最後まで快適な走りを実感できました。
また、泥水も弾いてくれるからなのか、汚れにも強いと感じました。雨上がりに無数の水たまりトラップがしかけられている未舗装路でも、シューズが過度に汚れる心配がないので豪快に走り抜けられました。
安定した走りごこち
Cloudrunner 2 Waterproofは安定性が高く、サポートが感じられるモデルです。
Cloudrunnerから刷新されたミッドソールにはHelion™スーパーフォームが採用されています。これにより、前モデルよりも柔らかなクッショニングと力強いエネルギーリターンを実現しているそう。
走ってみた感想としては弾みすぎず、柔らかすぎず、堅実な走りを実現してくれるシューズでした。長めのペース走や、長い距離をゆっくり走るロング・スロー・ディスタンスランをこなすために最適だと感じます。
重厚感ある作り
Cloudrunner 2 Waterproofのドロップ(つま先部とかかと部の高さの差)は10mm。
参考までに、Onの別モデルと比較してみました。前方のCloudflow(ピンク)が9mm、後方のCloudgo(グリーン)が11mmです(愛用しすぎてややミッドソールがつぶれてきてはいますが…)。
筆者が計ったところでは、重量は
- Cloudrunner 2 Waterproof: 269g (レディースサイズ24.5cm)
- Cloudgo: 209g(レディースサイズ 23.5cm)
- Cloudflow: 204g(レディースサイズ 23.5cm)
と、サイズがそもそも違うことを考慮しつつも、Onのロードランニングシューズとしてはいささか重めとなっています。そのせいでしょうか、他モデルに慣れた状態で初めてCloudrunner 2 Waterproofを履いてみた時は足の回転が遅くなったような気がしました。スピード練習には適していないかもしれません。
着地の衝撃はCloudTec®がしっかり吸収してくれます。
ヒールカップ(かかとを包みこむ部分)はかためな作りで、ややホールド感があります。足幅は特に狭いとは感じませんでした。
雨天でも滑りにくい
アウトソールにはご覧のとおり細やかなラグが主につま先とかかと部分に彫りこまれています。この突起のおかげで蹴り出し時にしっかりとつま先で地面を捉えることができるので、力強い走りが可能に。
加えて、濡れて滑りやすくなっている路面でも滑りにくい要因かなと感じました。
Onシューズのトレードマークとも言えるトンネルのようなソールですが、Cloudrunner 2 Waterproofにおいては走っているときに小石などが挟まらない構造に改良されているそうです。
個人的に好きだったのはリフレクター(反射材)が随所にあしらわれていること。夜間の視認性向上のためにはありがたいディテールです。
普段使いにも重宝しそう
今回レビューしたのは2色展開のうちより汎用性が高いと感じた「Magnet | Black」でしたが、これがランニングだけにはもったいないかっこよさだったんですよね。
普段からオフィスや学校へも履いていけそうですし、なにより一日中履いていたくなる履きごこちでした。実際、丸一日アウトドアの取材を行う際に履いていき、大正解だったことも。
もちろん悪天候でもへっちゃらですから、ランニングのみならずいろいろなオケージョンに合わせて「あ、やっぱり今日もこれで行こ!」とシューズクローゼットから引っ張り出してきたくなりそうです。
ランニング習慣を後押ししてくれる
線状降水帯もなんのその。
雨の中でも濡れることを気にせずランニングを楽しめるCloudrunner 2 Waterproofは、「雨が降っているからランニングをしない」という選択肢を排除してくれました。
だから、なにかと理由をつけてランニングを「お休み」していた筆者も、ランニングをしない理由がひとつ消滅したことで、よりランニングに行くことが増えました(今のところ)。
運動を習慣化するにあたってもっとも重要で、同時にもっとも難しいステップは、シューズを履くことだと思っています。
玄関まで行って、靴ひもを結んで、いざ外の世界へ一歩踏み出すところまでできたなら、あとは身を流れにまかせて走るのみ。または、ウォーキングのほうが適している日もあるかもしれません。いずれにせよ、いざ外の世界へ出てみたら、必ずあとで「よかった」と思えるはずなんです。
だからこそ、ランニングシューズとの出会いは大切。Cloudrunner 2 Waterproofとは、これから長いおつき合いになりそうです。
Source: On
Photo: 山田ちとら