ただの石板じゃなかった!
エジプトのアビドスにあるコプト教会の下から発見された石板。書かれているヒエログリフ(古代エジプト象形文字)を解析してみると、なんとラムセス2世の石棺の一部であるとわかりました。
ラムセス2世とは?
ラムセス2世はエジプト新王国の第19王朝の王で、紀元前1279年から1212年まで67年もの間王座に君臨していました。エジプト博物館によると、90歳を超える長寿で約100人の子を儲けたとされています。
花崗岩でできている石棺の破片は2009年に発見されていたのですが、新王国時代の高官のものと見なされていました。しかし、考古学チームがヒエログリフを再検討してみると、「ラムセス2世自身のもの」と訳される王家の印を発見。この石片がかつてこの王の棺の一部であったことがわかったのです。研究チームの成果は、Revue d’Égyptologieに掲載されています。
過去に2名が納められていたことが判明
フランス国立科学研究センターの発表によると、この石棺にはこれまで2人の遺体が納められていたことがわかっていて、判明していた1人は前1000年ごろの高位祭司メンケペルレでした。しかし、今回新たにラムセス2世の王家の印が発見されたことから、もう1人はラムセス2世自身だったことがわかったというわけです。
ラムセス2世のミイラは、盗掘を防ぐため何度も移動され、最終的に1881年にデイル・エル・バハリで父セティ1世などの遺体と一緒に発見されています。ミイラは本来の石棺ではない彫刻入りの杉の棺に納められていたそうです。
ラムセスのミイラはたくさんの移動をしてきましたが、良好な状態で保存されています。なぜ当初から本来の石棺から出されていたのか明確ではありませんが、有名なファラオのミイラが現代まで残っているというのは素晴らしい事実ですよね。アレクサンドロス大王やクレオパトラのミイラも発見!なんてことが今後起こるといいなと思いますけどね。