スポーツサングラスのトップブランド、オークリーが「Mars X-Metal Leather」を2024年2月21日に復刻発売します。これがいかにビッグニュースなのか? それは1998年の発売当時、このアイウエアが瞬く間に話題になったからです。
どう凄かったのか。列記します。
- X-Metalで作られていること
- マイケル・ジョーダンが開発
- 映画『ファイト・クラブ』でブラッド・ピッドが着用
ブラッド・ピットが着用しただけでもヒットしそう。何しろ人気絶頂期の俳優でしたし、監督はデビッド・フィンチャー。今もカルトムービー的に人気の高い映画ですから。その作中で掛けていたのが、ベースモデルのMars X-Metalだったのです。
さらには2つ目。マイケル・ジョーダンが開発をしたこと。実は90年代後半、マイケル・ジョーダンはオークリーの取締役を務めていたのです。ですからMars X-Metalもよく着用していたわけですが、自ら開発に関わったのが、Mars X-Metalにレザーを施したMars X-Metal Leatherだったのです。
当時のジョーダンはNBAプレーヤーとしては引退間近でしたが、カルチャーアイコンとしてはまだまだ絶頂期。それだけに十分以上に話題のサングラスとなったわけです。
ロケットの金属部品を作る技術を駆使して製造
でも、それ以上に本当に凄いポイントはひとつ目に挙げた「X-Metal」。これは、オークリーが独自開発した素材。これを開発したことが凄いのです。
「X-Metalフレームを制作するためには、0.0127mmの精度を可能にする機械が必要でした。それを動かすには、 42万5000ワットもの電力を消費する重さ6トンの発電機1台が不可欠」だったとか。「ロケットのエンジン用の複雑な金属部品を製造するために使用されているのと同じ技術を駆使して、高出力レーザーでX-Metal粉末を溶解するダイレクトメタルレーザー焼結プロセスを使用して製造」しているそうです。
端的に言うと、X-Metalはチタン合金の一種なのですが、それを鋳造して作っているのです。一般的な眼鏡のチタンフレームは、金属の板をプレスして作られるもの。鍛造で作られているチタン素材のフレームなんて、現在も他には存在しません。(眼鏡マニアを自認する著者が知る限りでは)。オークリーの開発者曰く「約6年もの歳月をかけて完成した」というのもまったく大袈裟ではないでしょう。
見るからに独創的なMars X-Metalは、知れば知るほど独創的なのです。このモデルによって、オークリーが優れたスポーツグラスを作っているというだけでなく、90年代的に言えば、「ヤバいモノ作りをしているヤバいメーカーだ」と世間に認知されたわけです。
今回発売されるMars X-Metal Leather には、アンオブタニウム製のイヤソックとノーズパッドを採用し、レンズにはプリズム24Kを使用。掛け心地と見やすさが向上されています。2月21日に発売されたら、あっという間に店頭からなくなる可能性もありますが、実際に掛けて、もう一度この“ヤバさ”を体験してみたいものです。
Source:Oakley