自分の暮らしや人生について質問もできちゃう。
Google(グーグル)の次なる大きなアイデアは、自分の人生を語ってくれるAIのようです。「プロジェクトEllmann(エルマン)」と名付けられたこのAIは、ユーザーの人生を一覧化したり、ナレーション付きで語ってもらう機能。
Geminiが動かすEllmannとは?
CNBCが入手したGoogleの内部会議でのプレゼン資料のコピーから今わかる情報としては、Googleの新AIプロジェクトのGeminiがこのEllmannを駆動していて、Googleフォトと過去の検索を使ってそのユーザーの人生を分析するんだそうです。
さらに「Ellmann Chat」と呼ばれるチャットボットがあり、ユーザーは自分について、そして自分の人生に関する質問ができるとのこと。このプロジェクト名は、アメリカの伝記作家であるリチャード・エルマンにちなんで名付けられています。
Appleのメモリー機能とはちがう?
Ellmannはユーザーの人生を章に分けてくれて、例えば学生時代や旅行の思い出などのコンテンツを選べるようです。
それだけ聞くと、Apple Photosが何年も前から導入しているメモリー機能とまったく同じに思えますが、Ellemannはもっとはるかに知的で詳細になるとされています。
プレゼン資料によると、写真の分析は「単なるラベルとメタデータのピクセル以上」と書かれているのですが、その意味はおそらくAppleのメモリー機能を皮肉っているっぽいですね。
Googleのこのプロジェクトの目的は、高校時代を振り返ったり、人や場所、出来事別に人生を整理することではありません。ユーザーの人生をよりよく理解し、全体的な人生のストーリーを提供するために、人生を知的に研究し分析することが目的なんです。
プレゼン資料の1ページ目には、「我々が少し引いた場所からあなたの人生全体を理解することで、あなたの全体的なストーリーが明確になるのです」と記載されています。
あなたの生活や人生を理解してもらう機能
またEllmann Chatは、生活に関する質問をするツールとしての位置付けもあるようです。
サンプルでは、ユーザーが「自分はペットを飼っているか」とEllmann Chatに聞いています。すると、そのユーザーが飼っている犬に関する正確な情報など、詳細な回答が出てきました。
これは「以前は不可能だった質問に答える機能」として宣伝されてきましたが、このチャット機能はEllmannをさらに賢くしていく手段なのかもしれません。対話するたびにユーザーは自分の人生についての情報を提供していき、それが間違っていれば「違う」とチャットに否定することで、さらにそのユーザーに関しての知識をEllemannが付けていくわけですから。
米Gizmodoがこのプロジェクトに関してGoogleに問い合わせをしたところ、広報担当者は「これはまだ初期段階の内部での試みです。いつも通り新しい機能を導入することになれば、それが人の役に立ち、ユーザーのプライバシーと安全を最優先事項としたデザインになるように、我々はしっかり時間をかけていきます」と返答しています。