アメリカでは、最近万引きが増えています。
こそこそ隠れて盗るどころか、カートやバッグに欲しいものを手当たり次第に放り込んで堂々と出ていくのがポストコロナのアメリカの万引きです。
レジの子は何もしない
レジの子は呆然と立ちすくんで見送るだけ。呼び止めたりもしません。
ストアによっては「万引きに気づいても止めてはならない」という社員規則があるからです。
うかつに止めるとどうなるか?
正義感を振りかざして止めると、最悪、襲われます。
2023年4月には、大手ホームセンター「HomeDepot」プレザントン店で警備員が銃で撃たれて命を落としました。
2023年8月には、同サンカルロス店で万引き男が警備に追われて、警備のこん棒を奪って顔と頭部を殴打。警備が銃2発を放って1発が男に当たって負傷させる事件があったばかりです。
セブンイレブン・ストックトン店では、巨大なごみ箱にタバコをガーっと入れて万引きする男を店員たちが取り押えて棒で殴る衝撃映像が公開され、店側が警察の取り調べを受けるハプニングも…。
撮影した近所の人は「やり過ぎ。見逃せばいい。もっと愛をもとう」とTVで語っていましたが、よくよく調べてみたら男の万引きは3回目で、7月末には「万引きを止めたら殺す」と店員が脅されて店舗向かいの警察に通報していたことがわかり、過当防衛の疑いは晴れたようです。
どこもかしこも商品にカギ
そんな状況なので、今はどのストアも狙われる商品にはしっかりと鍵がかかってます。
この間も、近所のHomeDepotにリョービのドリル買いにいったら檻が張りめぐらされてて店員さん呼ばないと開けて見ることができない。億劫で、ついネットで検索してしまいました。実店舗応援したい気持ちは山々なのだけど…ごめん…。
サンフランシスコの大手薬局雑貨チェーン「Walgreen(ウォルグリーン)」も、1日15~20回万引きにくる男がいて、冷凍食品の棚にまで鎖がかかってしまってて不便この上なしです。
万引き被害、年間1億円の店も…
被害規模はどれくらいなんだろ…と思っていたら、HomeDepotの競合「Dale(デイル)」フリーモント店(創業1955年)が万引き被害で昨年70万ドル(1億円超)の赤字という実数が地元紙に出ていました。
ここは鉢や苗をよく買いに寄るお店なのでそれなりにショックです。
ご近所さんが集まるSNS「Nextdoor」でもこのことは話題になり、みな同情の声を寄せていましたが、そのなかに何人か
店員に万引きに間違えられて散々な目に遭ったからDale訴えた。損害賠償35万ドル請求して20万ドル(約2900万円)勝ち取ったよ。
と報告している人たちがいて、これまたショックでした。
なんかもう銃と訴訟社会、格差社会が三つ巴でリアル店舗を取り巻いてる状況ですね…。
「いや~お店も大変だね…」と晩ご飯食べながら話題にしたら、家族が「そういやさっきスーパーで万引き見たよ」と言うではないですか。
堂々とレジの子と世間話して、カートに乗せたスイカとアーモンドミルク2パック分の支払いをサボってイソイソと出ていったのだといいます。
レジの子に教えたげたら
Shoot…(しまったー)! あーでもいいです、ほかにやる仕事が山ほどあるんで…。
とすぐあきらめて作業に戻ったみたいですよ?
そんなに貧乏そうには見えない中年女性で、乗ってた車は赤のメルセデスのオープンカーだそうです。むぅ…。