ついに家を売った人が出てしまった。
ハリウッドで続く俳優と脚本家によるストライキ。その多くが経済的打撃を受けると言われていて、早い段階から悲鳴が上がっていました。
そんな人たちをサポートするためにAリストスター(名前だけでお客が呼べる俳優たち)同士で寄付を呼びかけたり、支えたりしています。
しかし、ついにレッドカーペットで話題を振り撒くような俳優すら節約のために家を売却しなければならない状況になってしまいました。
プロジェクトが頓挫し経費削減は不可避
家を売却するのは、ビリー・ポーター。ドラマ『POSE(ポーズ)』でエミー賞を受賞、レッドカーペットではタキシードとドレスを組み合わせた華やかなスタイルが注目されている人物です。
家を売らなければならない。ストライキ中だからね。いつ戻れるかわからないし、アーティストの生活は報酬をもらうまでは綱渡り状態なんだ。
9月から新作映画と新作テレビ番組に出演する予定だったんだけど、実現には至っていない。
Evening Standardのインタビューに応じたポーターは、ハリウッドスタジオの幹部のひとりによる発言についても言及しました。
『組合員が家を失うまで長引かせる』と発言した人に言いたい。もうやったよ、って。
「クソ喰らえ以外の言葉が出てこない」
ビリー・ポーターは自身の状況を語るだけでなく、ウォルト・ディズニー・カンパニーの取締役会長兼会長が、「(映画俳優組合 – アメリカ・テレビ・ラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)と全米脚本家組合(WGA)の)要求は非現実的だ」と発言したことに触れ、次のように語っています。
50年代後半から60年代前半にかけて二次利用料の支払う仕組みが作られて2%の労働者が安定して働けるようになった。だがストリーミング配信が始まり不透明さが高まった。
ビジネスの進化に伴って契約も進化/変化するべき。生活賃金を求める私たちの要求に対してボブ・アイガーが『非現実的だ』と言っているのを知っていますか? 彼は1日に7万8000ドルも稼いでいるんですよ。
そして「クソ喰らえ以外の言葉が出てこない」と怒りを露わにしました。
なお、このストライキによって米ワーナーは、第2四半期の純損失を前年同期から縮小。16%削減したと発表しています。
とはいえ、それが喜ばしいわけではなく、作品を作っていなければリリースして収益を上げるものもないわけです。動画配信部門は好調だそうですが、ハリウッド全体の今後はどうなっていくのでしょうか……。
Source: Variety