「なんか見覚えが…」落下した隕石を詳しく調査→まさかの地球出身の“隕石”だった

おかえり、浦島太郎。

「隕石は宇宙から来たもの」というのが常識ですが、5年前に落下した隕石(“Northwest Africa 13188”)は例外のようです。

地球を飛び出した岩石が帰還した?

2018年、サハラ砂漠に暗赤色の隕石が落下、その後モロッコで売りに出されました。科学者チームがこれを「どうも見覚えがある感じだな…」と分析したところ、かつて地球を飛び出した岩石だったことが判明。つまり、数千年も宇宙を旅した後、故郷の星に戻ってきたのです。

7月9日から14日の6日間、フランスのリヨンで地球科学に関する「2023年ゴールドシュミット会議」が開催。そこで国際的な研究者チームが「“Northwest Africa 13188”は地球出身の隕石だった」と示唆するデータを発表しました

ちなみに、こちらの研究はまだ論文としても発表されていない、ホヤホヤのニュースです。

組成や宇宙線の量が、「地球外」っぽくない

通称NWA13188と呼ばれるこの隕石の化学組成は、地球上の火山岩と同じだとわかりました。また、元素や同位体を調べると、宇宙空間で宇宙線にさらされた期間は約1万年と、隕石にしては比較的短いことも判明。

こうした事実から、研究者チームは「NWA13188は地球から飛来し、宇宙空間をしばらく旅した後、ふたたび地表に戻ってきた隕石」だと主張しました。

なぜ宇宙に飛び出したのか?

ではどうして地球の岩石が外に飛び出すことになったのでしょう?

ハッキリしたことはわかりませんが、数千年前に小惑星の衝突があったか、あるいは火山の噴火によって地球から放出された可能性が考えられます。そしてその後、太陽の周りを周回した後、再び地球の表面に落下したのです。

今後、研究者チームはこの仮説を証明するため、隕石の年代や宇宙線にさらされた期間を測定し、どれだけ長いあいだ宇宙を旅してきたのか、正確な時間軸を知る必要があります。

まだ確認すべきことはありますが、この一風変わった隕石をさらに分析すれば、世界初の「ホームシックに耐えられなかった」浦島太郎のような隕石の発見になるかもしれません。

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