C4エナジー 、トレバー・ベルとのタッグでTikTokクリエイターのオーディション開催:多様なコンテンツ創出に期待

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飲料とサプリメントブランドのC4エナジー(C4 Energy)は、同社のキャンペーンに適合する将来のコンテンツクリエイターを探すため、新しい方法をテストしようとしている。

6月にスタートしたC4YPプログラムでは、TikTokerならフォロワー数を問わず、C4エナジーをテーマにした動画を3本作ることで毎月1000ドル(約14万1000円)を獲得できるチャンスがある。さらに、プログラムの終了時に上位4人のクリエイターは卒業とともに公式クリエイターとしてC4と6カ月の契約を結ぶことになる。

C4エナジーは現在TikTokで32万人のフォロワーを抱え、250万の「いいね!」を集めている。この2カ月で同プラットフォームでのシェアは3233%増加しており、その成長を基にして新しいクリエイタープログラムを構築しようとしている。しかし同社によれば、C4YPはC4の商品をTikTokの主役にするための幅広いコンテンツを作りだすための方法だ。

デジタルマーケティングに強み

C4エナジーは親会社のヌートラボルト(Nutrabolt)が2011年に立ち上げたもので、運動前のドリンク、そのほかのエネルギーや水分補給サプリメントで知られている。同社はここ数年間に、エナジードリンクのカテゴリーを揺るがした新興企業の波の一部として、大きく成長した。同ブランドが成功した理由のひとつは、有料ソーシャル広告や大規模なインフルエンサーマーケティングを含むデジタルマーケティングだ。

ヌートラボルトのソーシャル責任者を務めるサム・ウェルズ氏は、同社がC4のソーシャル戦略をオウンドとアーンドのソーシャルコンテンツに分割していると語る。「当社はこのプログラムを、ブランドにとって「常時オン」のクリエイティブエンジンと考えている」と、同氏は述べる。

ウェルズ氏は、C4エナジーがすでにセレブリティアンバサダーの強固な名簿を保有し、俳優のケビン・ハートや、アトランタファルコンズのカイル・ピッツのようなNFL(ナショナルフットボールリーグ)のスター選手なども名を連ねていると説明する。また同ブランドは、ファッションとライフスタイルのインフルエンサーであるスゼット・ジェームスを公式TikTok動画のホストとして迎えている。同社は新しいクリエイターを引き寄せるため広範囲に網を張ることで、ライフスタイルや美容、フィットネス、スポーツ、ゲームの分野にわたるオーディエンスにリーチできることに期待している。

販売手数料の獲得も

C4は幅広い小売流通を持つCPG(消費者向けパッケージ商品)ブランドであるため、同社のソーシャルコンテンツ戦略は店舗販売の大きな原動力となっている。ヌートラボルトのCMOを務めるロバート・ゼイジャック氏は、C4YPが「当社の拡大し続けるタレント戦略の次の構築ブロックだ」と語る。

「プログラムの規模が拡大するにつれて、間違いなくブランドと販売の両方の指標に焦点を当てることになるだろう」と、ゼイジャック氏は述べる。同社は主に、スケールできる本格的なブランドコンテンツを作成し、新しいC4のオーディエンスを囲い込もうとしていると、同氏は語る。「それは非常に密接に続いており、その規模とオーディエンスを活用して、エンゲージメントとインタラクションを背景にした売上を促進する能力がある」。

このTikTokプログラムは、第1「学期」に選ばれた80人が参加することから始まる。ブランドがクリエイターに与える一般的なブリーフィングとは異なり、C4YPのクリエイターは、ブランドのいくつかのガイドラインに従う必要はあるものの、投稿についてはクリエイティブ面の自由が与えらていると、ウェルズ氏は語る。また、メンバーは独自のC4プロモコードを自分のソーシャルメディアページに貼り付け、販売手数料を獲得することもできる。「当社には、クリエイターが活用できる、幅広い商品ポートフォリオがある」と、同氏は付け加えてた。

社内タレントになるチャンスについては、参加者が面白く魅力的な投稿を作成するよう参加者を駆り立てるために、「ちょっとした競争意識」を取り入れていると、ウェルズ氏は語る。「我々の階層的なタレントファネルの一部になるチャンスがある」と、同氏は述べる。

ウェルズ氏によると、C4がこのプログラムの金額を決めたのは、「1000ドル(約14万1000円)を獲得しよう」というキャッチコピーを使って、誰にでも公平な条件を作りだすことだったという。「我々は、熟練したVlogger(ブイロガー)から、ただ楽しませるために参加する人まで、多種多様なクリエイターを惹きつけたいのだ」と、同氏は述べている。

eコマースマーケティングに欠かせなくなったTikTok

C4YPプログラムは、540万人のフォロワーを抱え、すでに同社のブランドアンバサダーとして働いているトレバー・ベルとのパートナーシップのもとに開始される。C4YPの最初のクラスには、GetAdjustedNowという名で知られているカイロプラクターのジャスティン・ルイス氏や、美容インフルエンサーのブレンダ・ウッド氏などのクリエイターも含まれる。商品は6月初頭にメンバーへ発送済みで、コンテンツは数日中に届く予定だ。「1週間のうちに600人を超える応募者があり、我々に協力したいという熱意を持った人が多くいることを示している」と、ウェルズ氏は述べる。

C4エナジーが開始時にTikTokに特化することを選んだ理由のひとつは、「大規模なプラットフォームで、1日に何回でも投稿できる」ことだと、ウェルズ氏は述べる。同社は開始にあたり、C4YPの現在のメンバーが合計で毎月240本のコンテンツを生み出すことを期待している。「将来的には、さらに数百人のクリエイターを加えて、規模を拡大したい」。

ユーザー生成コンテンツ管理プラットフォームのエントライブ(Entribe)のCEOを務めるアダム・ドーンブッシュ氏は、このような種類のクリエイタープログラムは、「クラウドソースのコンテンツとインフルエンサーマーケティングを融合したもの」だと語る。

報酬を受け取るブランドアンバサダーが一般的なものとなりつつあるなか、C4のような企業は、商品について語ることを望むクリエイターを引きつける新しい方法を模索していると、ドーンブッシュ氏は語る。「これは、多忙なプラットフォーム上でのあらゆるエンゲージメントの機会を網羅する方法だ」と、同氏は述べる。

C4は「TikTokのあらゆる場所で目に留まるようにしたい」とウェルズ氏は述べ、数年前とは違い、同プラットフォームはeコマースマーケティングについてより競争的になったと付け加える。「人気のあるチャンネルを保有しているだけでは勝てない」と同氏は語る。今日のブランドは、プラットフォームのさまざまな方面にクロスオーバーでリーチする必要もあると、同氏は語る。「当社は、TikTok全体でどのような種類のコンテンツが共感を呼ぶかを測る方法としてもC4YPを使用している」。

一方で、同社はこのクリエイターに焦点を当てた取り組みをほかのチャネルにも適用することを計画している。「当社はC4YPが当社の全体的なクリエイタープログラムの大きな部分を占めると見ており、やがてはTikTok以外にも拡大することに期待している」と、ウェルズ氏は述べている。

[原文:How C4 Energy is auditioning creators with its new TikTok program]

Gabriela Barkho(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via C4

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