それを使うと円の面積や周が出せるという、なんだか不思議な魅力を持った円周率。多くの人はその理由も知らずに「π≒3.14」という風に暗記するしかなかっただろう。いわば与えられた円周率だ。
自力で円周率を求めようとしても難しい計算をしなければいけないと思っていたのだが、なんと頭をほとんど使わないでもできる方法があるらしいのだ。
その方法は、紙の上に針を落とすだけ。
※2008年10月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
ビュフォンの針
まずそのやり方を説明しようと思う。「ビュフォン(Buffon)の針」というものだ。
・ 等間隔の平行線をたくさん書く
・ 間隔の半分の長さの針を落とす
↓
・ 平行線と針が交わる確率は 1/π!
えー何で? という感じだ。ところが、面積と確率を関係づけることで比率が出てくるものなんだという…。
感覚としてはこんな感じだろうか。例えばこんな色分けした図形の上に、ボールを100個落とす試み。
という風に、色分けされた場所に落ちたそれぞれのボールの数を数えると、統計的に面積の比率が出てくる。辺の長さを調べなくても、だ。
「ビュフォンの針」はそれのもっと複雑なバージョンで、針の落ちた場所と向きそれと平行線の関係から、円周率が出てくるものなのだ(と思う)。
詳しくは微積を使うと説明できるらしいが、そのあたりは各自調べて御納得いただくことにしよう。調べる気が起きない人は「なるものはなる」ということでひとつよろしくお願いします。
早速やってみる
考えても何も始まらないので実際にやってみたいと思う。もしやってみた結果が僕が知っている円周率3.14に近ければ、信じてやろうじゃんか、ビュフォンの針。
というわけで早速針を用意する。
針の長さは42ミリメートルだった。きっかり4センチなら平行線が引きやすいのになあと思いつつ、針の長さを基準に平行線を引いていく。
うっかり針の長さの間隔(42mm)で平行線を引いてしまった…。必要なのは一本置き(84mm間隔)に引かれた平行線だ。不必要な分にペケを付けておく。
これで準備は完了。非常に簡単であった。あとは針を落とすだけ。
とりあえずビュフォンの針が信用できるかという点も含めた様子を見るために、100回ほどやってみよう。
落とす→確認→用紙にチェック→拾う→落とす→…→の繰り返しで非常に地味な作業だ。
πは確率的にしかあらわれてこない。ポトリポトリと落ちる味気ないことこの上ない針の動きをただただ眺める。
あまりに地味な操作の繰り返しなので、しばらくぼーっとやっていたらいつの間にか終わっていた。十数分から二十分というところだろうか。
全部で100回針を落としたうち、34回針と線が交差した。
34/100がπの逆数になっているので、
π=100/34=およそ2.94 |
となる。 お、だいたい3だ! だいたい円周率だ!
ちなみに100回のうち32回交差した場合の確率(1/3.1235)が、我々の記憶している円周率3.14の数値に近くなる。つまり、最も円周率に近い場合まであと2回というところまで来ていたのだ。
これはすごい!と思ったので、もう少し気合いを入れて挑戦してみようと思います。