【おすすめ標準レンズ】悩みだしたら止まらない!カメラ好きが本気で勧める8選(メルカリマガジン)

デイリーポータルZ

カメラにハマると、次にハマるのがレンズ。種類があり過ぎて何を買えば良いかわからない方のために、カメラ好きを代表して、かつて沖縄でカメラ屋をやっていたことがあるというデイリーポータルZ編集部の安藤昌教さんが、おすすめの標準レンズについて教えてくれました。

(執筆・撮影/安藤昌教、編集/デイリーポータルZ編集部、メルカリマガジン編集部)

標準レンズとは【カメラのレンズの種類】

カメラのレンズは主に広角レンズ、標準レンズ、望遠レンズと分類され、およそ40mmから60mmくらいのレンズを標準レンズと呼ぶ。名前のとおり標準的な画角のレンズで、フィルムカメラの頃はボディとこの標準レンズとがセットで売られていることも多かった。

標準レンズは使いやすいので人気も高いのだけれど、なにしろ種類がたくさんあってどれを買えばいいかわからない。僕も標準レンズにはほとほと困り果てていて、新しいのを買って試してはメルカリで売り、また別のを買う、を繰り返している。早くこの標準レンズ輪廻から解脱したいと思っているのだけれど、煩悩の数以上あると思われる標準レンズの列に、悩みながらも楽しんでいるところがある。

おすすめの50mmレンズ:CANON(キヤノン)EF50mm F1.8 STM

僕の人生の中で、一番たくさん写真を撮ったレンズがこちら。

初めて買ったデジタル一眼レフはキヤノンのD30という機種だった。2002年くらいのことだ。20年前!! カメラが高かったのでレンズはいいのが買えなくて、当時一番安かったこの50mmのレンズをつけっぱなしにしていた。全身プラスチックで、オートフォーカスがジーコジーコいってなにしろ遅いのだけれど、写る写真はフィルムの時と変わらないクオリティで毎回感動していた。

このレンズ1本で本当にいろいろなものを撮った。キヤノンのD30は画像センサーがAPSサイズだったため、50mmのレンズを付けると85mmくらいの画角になるのだけれど、これがちょうどその頃生まれた子どもを撮るのにぴったりだった。

このレンズは何度も壊しては買いなおしてを繰り返し、結局4本くらい買いなおしたと思う。このあとにf1.4のちょっといいレンズも一瞬使ったが、写りが好みじゃなくてやっぱりこのf1.8のやつに戻した。このくらい安くて軽くてよく写るレンズがどこへでも持っていけて気楽で好きだった。

石川県の金沢市に住んでいたころ、家の近くにあった中古カメラ屋さんで、PENTAX Super Aというカメラを買った。その時に付いていたのがこのレンズである。

その頃は特に写真にもカメラにも興味がなかったのだけれど、初めてちょっと長く海外へ旅行することになり、せっかくだからちゃんとしたカメラを買おうということになったのだ。とはいえ学生である、新品は高くて買えない。

そんな時、近所の中古のカメラ屋さんをのぞいたらこのセットが置いてあり、お店のおじさんに勧められたのだ。たしか15,000円くらいだったと思う。その時すでにアンティークの域だったが、あまり使われた形跡もなくきれいで、ころんとショーケースに置かれた姿がなんとなく子猫みたいだった。

当時はシャッター速度も絞りも知らなかったので、カメラ屋のおじさんにシャッターを1/250、絞りはf=8に合わせてもらい、これで感度ISO400のフィルムを入れたらだいたい撮れるから!と教えられて旅に出た。旅行中にフィルムを5本くらい撮影したと思う。

日本に帰って現像してみたら本当にちゃんと撮れていた。しかも被写体はキリっと、背景がちゃんとボケていて、写るんですの写真しか見たことがなかった僕はとにかくびっくりしたのを覚えている。今考えるとあれが僕がカメラ好きになったきっかけだったのだ。

このカメラはその後も、旅に出るときには必ず持って行っていたのだけれど、どこかの国で肩にかけた状態から落として壊してしまった。それでもレンズだけは今でも家の中のどこかにあると思う。今考えるとこんなよく写るレンズを最初に手に入れてよかったと思う。

おすすめの50mmレンズ:Nikon(ニコン)AI Nikkor 50mm f/1.4S

カメラ好きはNikonのマニュアルカメラを使うものである。そう教え込まれた時期があった。新聞社でアルバイトをしていた頃である。その時の教えが頭に残っていたのか、PENTAXのカメラのあとにNikonのFM3aというマニュアルカメラを買った。

これと一緒に買ったのがこのレンズだった。その時は沖縄に住んでいて、どこへ行くにもこのセットをぶら下げて歩いた。当時はフィルムも現像も安かったので、週に1本かもっとたくさん撮っていたと思う。今でも家の壁に飾ってある沖縄の写真は、ほとんどがこのレンズで撮ったものだ。

おすすめの50mmレンズ:LEICA(ライカ)SUMMICRON(ズミクロン)50mm F2 M型ライカ用標準レンズ

ライカのレンズを初めて買ったのは最初に就職した年だったと思う。それがズミクロンの50mmの三代目だった。

ライカのレンズの中でも基本となるのがズミクロンではないだろうか。50mmのズミクロンは初代から第四世代まで、進化しながら長く作られてきた。最近、新しくアポズミクロンというモデルが出たけど、これはちょっと高すぎるので興味はあるけど手が出ずにいる。

僕が使っているズミクロンは三代目のもので、時代的には70年代から80年代にかけて作られたものらしい。今から考えると50年も前である。

最近のコンピューターで設計されたレンズは中のガラスの枚数が多くなりがちだけれど、ライカのレンズは少ない枚数でよい性能を達成しているのがすごい。このズミクロンはガラス6枚である。非常にコンパクトでよく写る。

ズミクロンは勉強も部活もできる優等生である。中学の頃は生徒会長をやっていました、みたいな感じ。対してズミルックスはなぜかちょっと奔放なお姉さんという印象がある。あくまでも個人の感想ですけどね。

おすすめの50mmレンズ:LEICA(ライカ) ELMAR-M 50mm

ズミクロンはよく写るけどピントを外すことも多かった。絞ればピントの合う幅が広がるので絞ればいいのだけれど、せっかく明るいレンズなんだからといつも開放で撮っていたからだ。

その点エルマーは、もとから暗いのでピントを外すことも少ない。バルナックライカに付けてモノクロフィルムで適当に撮影してもきれいに写っていた。

ライカのレンズの中でも基本となるのがエルマーだろう。ズミクロンの時もそう言ってなかったか、という声が聞こえたが、書いているうちにエルマーを思い出したのだから仕方がない。そういう空気みたいな位置にあるレンズなのである。

エルマーというのはf3.5の頃から数えるといったい何年作られているのかわからないくらい長いこと続いているレンズ名である。

このレンズは確かライカのM6というボディについていたものだった気がするけど、その後ボディを手放してしまいレンズだけが残った。たまに使うとすごく優秀なんだけど、沈胴レンズ(レンズの鏡筒をカメラボディ内部に収納できるレンズのこと)というのはどうもひと手間かかるので面倒になって置きっぱなしになってしまうのだ。ただレンズを引っ張り出してひねって固定するだけなんだけど。

エルマーは幼なじみの友だちというイメージ。一緒にいるのを忘れてしまうくらい軽いし、いざという時頼りになる。思いっきり主観だが、外で見つけた猫を撮るならエルマーの50mmが最適だと思う。猫の猫っぽさをちゃんと写してくれる。

実は他にもズマールやズミタールなんかも一瞬持っていたことがあったけど、エルマーに比べると使いにくくてすぐに手放してしまった。エルマーさえあればいいやと思っていた時期があった。

おすすめの50mmレンズ:LEICA(ライカ) SUMMARIT 50mm

ズマリットはかつてf1.5のものがシュナイダーから出ていたと思うんだけど(上の写真のレンズはf1.5のものです)、僕が使っているのはf2.5になった現代版の方である。現代のレンズというだけあって信頼の写りである。すっきりしていて逆光にも強い。

今年の初旬に父が亡くなったのだけれど、病気をやってからの父をずっと撮っていたのがこのレンズだった。失敗したくない時に使う、真面目な、信頼できる、そんなレンズ。

この前、父の法事を終えて、もちろんその時もこのズマリットを持っていったのだけれど、そのあとカメラから外して以来使っていない。なぜか僕のズマリット50mmは、父を撮るためのレンズだったように思うのだ。

このレンズで撮った父の写真はまとめてアルバムにした。プリントするといっそうよく写っていて、なんだか父がそのまま閉じ込められているみたいに見えた。

おすすめの50mmレンズ:LEICA(ライカ) NOCTILUX 50 mm

あなたがいれば他にはなにもいらない、そう思って20年くらい前に購入した。今でこそ値段が高騰してしまったが(100万円くらいするやつもある)、当時はきれいな中古でも30万円とかそんな感じだったと思う。それでも高かったけど、ライカを使う人ならわかってくれると思う。どうしても一度は使ってみたいレンズなのだ。

フィルムがメインだったころはライカのM3にこのレンズを付けてほとんどの撮影をこなしていた。まさになんでも撮れるレンズなんだけど、重さとデカさに負けて最近は持ち出すことが減ってしまった。

それでも友だちの結婚式にはいつもこれを持って行っている。このレンズでモノクロで縦写真を撮ると、それだけで「思い出の中の二人」みたいな物語性のある写真が撮れる。このレンズで撮った写真で何組もの新郎新婦を泣かせた。僕の子どもたちが結婚するときにも、このレンズで撮って泣かすのだ。

番外編:ちょうどいい距離感の40mm

ここまで50ミリの標準レンズをいくつか紹介してきたが、最後に番外編として40mmのロッコールというレンズを紹介したい。

ミノルタとライカが共同で開発したレンズである。一緒に発売したライツミノルタCLというカメラと一緒に売られていたのがちょうど僕の生まれた1970年代で、そういうこともあって、なんとなく同級生というイメージがある。

これで撮った写真はすぐにわかる、そのくらい個性のあるレンズだと思う。なにしろ小さくてよく写るので、ライカのM5にこれを付けてよく旅行に持って行っていた。ズミクロンみたいにきっちり写るわけではないけど、40mmというちょっとだけ広角なところが、景色を入れて人を撮るときなんかに「ちょうどいい距離感」となる。

今回は標準レンズと呼ばれる50mmのレンズをいくつか紹介したが、正直まだまだ家の中を探せば同じようなレンズがゴロゴロ出てきそうで怖い。みなさんはそうならないように、吟味してレンズ探しに臨んでください。またいつか、次は広角編を書きたいと思いますのでお楽しみに。

安藤昌教(あんどうまさのり)

デイリーポータルZ編集部勤務。ものをむかずに食べる「むかない安藤」としても活躍中。好きなものはカメラと恐竜。あとサメが出てくる映画。

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