かつては日本食と言えば寿司、天ぷらだったが、今はカレーも入るらしい。なんでも、カレーを目当ての1つに来日する人もいるのだとか。それほどに近年、海外でブームとなっているのがジャパニーズカレーである。
そんなジャパニーズカレーについて、英語圏最大のネット掲示板Redditで「東京でどの店がオススメ?」的な話題が投稿されていたのは以前の記事でもお伝えした通り。そのレスの中で、あるチェーン店にひと際賞賛の声があがっていた。
・見たことはあるけど
カレーチェーンと言えば、まず思いつくのは『ココイチ』だと思う。これは外国人だともっと顕著。秋葉原のココイチとか軽く観光スポットみたいになっているし。個人的には、2019年に英語圏であるロンドンに進出したのが大きかったのではないかと思っている。現地では大盛況だったしな。
そんなココイチほどではないにしても、オススメされていたチェーンも最近、都内でよく見かける店である。近所の御徒町駅前にもあるため行ってみることにしよう。そう言えば、行くのは初めてだ。
・ココイチより価格設定が安め
イメージで言うと「ウマそうだな」とは思っていた。では、なぜ私が入ったことがないのかと言うと、カレーは家カレーが1番好きだから。懐かしさがあって気楽にウマイ家カレーの2日目に勝てるカレーはないと思う。
ゆえに、こだわっているカレーにも「なんか違う」というものを感じてしまうのだが、この店ははたして……? 店外のメニューを見るとトロトロ系のカレーであることは間違いなさそう。カツカレー880円と価格帯もココイチより安い。
・店の名は
ただ、「神田カレーグランプリ優勝店」と大きく書かれていることにはちょっと二の足を踏んでしまう。チェーン店だけど、こだわってそうでもあるその店とは……
『日乃屋カレー』だ。
公式サイトによると、2023年7月現在、都内には34店舗があるようだ。また、全国展開もしており、バンコクやサンフランシスコと海外展開もされているらしい。知らんうちにそんなにデカくなってたんか。どうりでよく見るようになったはずである。
・注文方法
店舗内は松屋とかココイチみたいな感じ。椅子も丸椅子でサッと食べてパッと出る雰囲気だ。入口前の食券機で食券を買うと、厨房に注文が飛び、完成し次第厨房前の画面に番号が映し出されるシステム。ちなみに、私(中澤)は「どデカ!カツカレー(税込み980円)」を注文した。
料理を取りに行くと厨房カウンターの前にスプーンや福神漬け、らっきょ、香辛料などがまとめて置かれている。席には何もないスタイルなので福神漬け多めに取っとこうかな。
・食べてみた
さて、Redditで「私がカレーに求める全てが入っている」「ココイチとは違うけどめっちゃウマイ」と言われる味はどんなものなのか? 食べてみたところ……おお、なるほど。
このカレーソースは確かにウマイ。口当たりは甘いのに、後からピリッとした辛みがやって来て、味に奥行きがある。その入口の甘みと後味の辛みがどちらも嫌味がなくて食べやすいのだ。
例えるなら、味のコントラストがハッキリしたバーモントカレー。明らかにこだわりの味なのだが、なぜ、バーモントカレーに例えたかと言うと、ルウの味にどこか家カレーっぽさもあるためだ。
ココイチはもちろん、松屋のマイカリー食堂にもない家カレーっぽい懐かしさがあるのである。ちゃんとカレー専門店のクオリティーでありながら、ここまで懐かしさを感じるルウに出会ったのは初めてだ。これぞホントのジャパニーズカレールウと言えるかもしれない。
唯一、気になった点をあげるなら、ちょっと米がパサついているところ。個人的には米は松屋に軍配を上げた。ゆえに、総合力としてマイカリー食堂とどちらが上かは難しいところではあるものの、日乃屋がジャパニーズカレーの1つの答えであることは変わらないだろう。
・ルウの日乃屋
食べに行って改めて分かったのは、ひと口にジャパニーズカレーと言ってもその良さは千差万別であるということ。今のところの自分の感覚を申し上げるなら、トッピングのココイチ、総合力のマイカリー食堂、ルウの日乃屋という感じ。
ジャパニーズカレーを楽しみの1つに訪日した外国人の方はぜひ色んな店で食べてみて欲しいものだ。きっと、自分だけの最強の店が見つかるはず。
・今回紹介した店舗の情報
店名 日乃屋カレー御徒町店
住所 東京都台東区上野5-27-1
営業時間 11:00~21:00
定休日 年中無休(年末年始除く)