Wi-FiルーターにスマートフォンやPCは問題なくつながるのに、ゲームなど、その他の機器が同じ設定でもつながらない、ということがあります。この場合、セキュリティ方式の設定に原因がある可能性が高いです。
「WPA3」しか接続できない設定だと、「WPA2」のゲーム機はつながらない
Wi-Fiルーターに機器を接続するときには、SSID(Wi-Fiの名前)とパスワードを設定します。この2つが合っていないと接続できないのはもちろんですが、そのほかに、セキュリティ方式の設定も合っている必要があります。
通常はあまり意識する機会のない項目ですが、ゲーム機が接続できないケースは、この問題である可能性が高いです。
セキュリティ方式(セキュリティ規格、暗号化モード、暗号化方式などとも)とは、Wi-Fiの電波による通信内容が第三者に盗聴されないよう暗号化する仕組みのことです。今回、詳細な解説はほかの記事に譲りますが、重要なキーワードは「WPA3」と「WPA2」です。
最新のセキュリティ方式は「WPA3」で、現在販売されているWi-Fiルーターや、スマートフォンやPCのほとんどが、これに対応しています。WPA3は2018年に発表された方式ですが、それ以前に開発・発売された機器などでは、1世代前の「WPA2」までしか対応していないこともあります。
家庭でよく使われている機器で、これに該当するものの代表が、販売期間が長く、製品も長く使われることが多いゲーム機です。例えば、任天堂の「Nintendo Switch」は現在も同社製ゲーム機の主力ですが、発売になったのは2017年で、WPA2までしか対応していません。同様の問題は、スマートスピーカーなどのスマート家電製品、IoT機器でも起こり得ます。
ちなみに、ソニーの「Playstation 5(PS5)」は2020年の発売で、WPA3に対応しています。「Playstation 4(PS4)」は2014年発売(海外では2013年発売の国も)で、WPA2対応となります。
WPA2での接続が必要な機器は、ゲスト回線につなぐのもおすすめ
以上のような事情から、現行のWi-Fiルーターでは、WPA3とWPA2の両方で接続できるようにしていたり、WPA3に対応していても初期設定はWPA2になっている製品もあります。しかし、セキュリティをより強固にしようとWPA3だけしか接続できないように設定していると、今回のような問題が起こります。
自宅で使っている機器が全てWPA3に対応していたら、Wi-FiルーターもWPA3だけで接続できるように設定し、そうでない場合はWPA2でも接続できるようにしておくのが、無難です。
別の対応策としては、前回の記事でも紹介した「ゲストWi-Fi」機能を使って、WPA3に対応しているスマートフォンやPCはメインのSSID、WPA2で接続する必要があるゲーム機はWPA2で接続可能に設定したゲストWi-Fi、と使い分ける方法もあります。
ゲストWi-Fiだと家庭内のネットワークとは切り離されるため、スマート家電などでは問題が起こる可能性もありますが、Nintendo Switchなどのゲーム機はインターネットを利用できればいいので、この方法で問題はありません。