砂漠からでも水を回収できる超吸水性素材をMITのエンジニアが開発

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by Gustav Graeber and Carlos D. Díaz-Marín

マサチューセッツ工科大学(MIT)デバイス研究所が、天然の吸水性素材・ハイドロゲルを用いて、過去前例がないほどの水分吸収率を誇る新素材を開発しました。

Extreme Water Uptake of Hygroscopic Hydrogels through Maximized Swelling‐Induced Salt Loading – Graeber – Advanced Materials – Wiley Online Library
https://doi.org/10.1002/adma.202211783


This salty gel could harvest water from desert air | MIT News | Massachusetts Institute of Technology
https://news.mit.edu/2023/salty-gel-could-harvest-water-desert-air-0615


MITデバイス研究所のグスタフ・グレーバー氏やカルロス・D・ディアス=マリン氏らは、紙おむつにも使用されている天然の吸水性素材・ハイドロゲルに、乾燥剤として知られる塩の一種・塩化リチウムを注入し、ハイドロゲルの吸水性を高めました。

ハイドロゲルに塩を注入する試みは以前から行われており、過去最も効率が高かったのはポリマー1gあたり4g~6gの塩を注入したハイドロゲルでした。このサンプルは相対湿度30%の乾燥状態において、材料1gあたり約1.5gの蒸気を吸収しました。

研究チームは材料合成のやり方を見直し、ポリマー1gあたり最大24gの塩化リチウムを注入。相対湿度30%の乾燥状態で材料1gあたり約1.79gの蒸気を吸収させることに成功しました。ディアス=マリン氏は「夜間の砂漠は相対湿度が低いため、今回の素材を用いると砂漠から水を吸収できる可能性があります」と述べています。


グレーバー氏は「予想外の驚きは、今回のような単純なアプローチで、これまでに報告された中でも最高の蒸気吸収量を得られたことです」と述べました。

今後は反応速度と物質が水を取り込むまでの時間が焦点になってくるとのこと。うまくいけば、材料を迅速に循環させることができ、水の回収ペースを「1日に1回」から「1日に24回」まで増やせると見込まれています。

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